吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

議院運営委員会(2022年3月17日)

2022年3月21日

議院運営委員会で質疑に立ちました。

まん延防止等重点措置にかかる国会報告の場としての議院運営委員会であり、3月21日をもって3回にわたって延長されたまん延防止等重点措置が解除となるため開会されました。

今年1月7日に今年最初となる国会報告を受けてから、区域拡大・変更、重点措置の延長、再延長、再々延長などを繰り返し、3月17日の議院運営委員会で実に8回目となります。

この間、緊急事態宣言ではないからと、残念ながら政府対策本部長たる総理の出席は一度も得られませんでしたが、今回でまん延防止等重点措置が終了することから、質疑に立たせていただきました。

持ち時間は11分と短く、重点措置の延長や解除にいたる意思決定や手続の在り方、今回の第6波の特徴を踏まえた効果検証とリスクコミュニケーションの在り方に絞って質疑しました。

今回も、直前に行われた衆院議運委での大臣の答弁ぶりを見て構成を変更した部分があり、会議録や議事録の重要性、答弁内容を踏まえて質疑を行う必要性等について改めて実感しています。

質疑において最初に確認したのは手続についてです。

緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も、当日朝に開会される基本的対処方針分科会、国会報告を経て、夕刻から夜に開かれる「新型コロナウイルス感染症対策本部」で正式決定となります。

にもかかわらず、解除を含む直近3例において、総理はその前日夜に延長や解除に関する記者会見を行い、既成事実化していました。

たとえ政府諮問どおりに決定されるにせよ、最終的な意思決定の場は、あくまで特措法第15条第2項の規定に基づく政府対策本部なのです。まず、最終決定の場を担当大臣に確認しました。

総理は2月17日、3月3日、3月16日と「明日、専門家に諮問し、国会報告の上、正式に決定いたします」とまったく同じ発言を記者会見の場でしており、国会報告を経た上で正式決定という流れをご存知のはずです。

せめて節目の今回は、国民の代表が集う国会の場でも報告し、説明責任を尽くすべきではなかったかと指摘しました。

また、今年に入ってからの基本的対処方針分科会では政府諮問案に対し、明確に反対意見を述べている委員がいらっしゃることが議事録から見てとれることから、当日朝の基本的対処方針分科会において全員が賛同したのか、それとも反対あるいは慎重な意見は示されなかったのかを確認したところ、消極的賛成が2名いらっしゃったことが明らかになりました。

分科会においては、法改正も視野に入れた検討や基本的対処方針全体の見直しを含め、立法・行政監視機能を担う国会として、重大な関心事項も含まれており、このような議論を共有したうえで報告・質疑を行うことが国会報告を形骸化させず、実質化することにつながるのではないかと指摘しました。

つぎに、2021(令和3)年3月18日の議院運営委員会の質疑の場で検証の必要性を指摘して以降、機会があれば質していますが、今回のまん延防止等重点措置については、それこそ明確な効果検証が必要であると考えます。

第5波までと大きく違う点は、学校や保育園、高齢者施設で多数のクラスターが発生したことです。

営業時間短縮が飲食店でのクラスター発生を抑制した側面があったとしても、納得が得られているとは言い難いことから、この有効性を検証する必要性、重点措置を実施した県とそうでない県について感染者数や病床使用率という客観的指標を用いて比較検証する必要性について指摘しました。

また、リスクコミュニケーションの側面からは用語の使い方について、政府や専門家から人によって捉え方が大きく異なるそれについて注意喚起を促しました。

ちょうど1年前、2021(令和3)年3月18日、緊急事態宣言解除の国会報告を受け、私も質疑に立ちました。しかしながら、その約1か月後の4月23日、再び緊急事態宣言の発出の国会報告にいたってしまいました。

今回の解除は、基準を緩和する方向に変更したことによるものであり、新規感染者数は高止まったままです。今後の推移は厳しくみていかねばなりませんが、解除する以上、宣言や重点措置が二度と繰り返されないことを願うのみです。

このような中であっても解除するということは、政府としては状況が落ち着いたと判断されてのことですから、証拠に基づく政策立案につながるよう効果検証をすべきであると考えます。

[質疑項目(新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の終了に関する件)]

1.まん延防止等重点措置に伴う手続と分科会の合意形成

・まん延防止等重点措置解除を正式決定する会議体
・基本的対処方針分科会における賛同状況

2.まん延防止等重点措置の効果検証の必要性

・飲食店における営業時間短縮の有効性の検証有無
・リスクコミュニケーションの在り方