吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

第171通常国会/総務委員会議事録(2009年3月24日)

2009年3月24日

1. 政策評価関係予算の動向と費用対効果、政策評価の意義

○吉川沙織君

民主党の吉川沙織です。よろしくお願いいたします。
今日は、政策評価という大きな観点から、
主に総務省に対して質問をさせていただきたいと思います。

まず最初に、政策評価関連の予算の動向について
総務省にお伺いをさせていただきます。我が国の行政に
おいては、従来企画偏重と言われるように、法律の制定や
予算の確保にどちらかといえば重点が置かれ、政策の効果の
把握や政策実施後の社会経済の変化に基づき政策を積極的に
見直すという活動は軽視されがちでした。

しかし、大分前に右肩上がりの成長が終わり、財政状況も一
層厳しさを増す中で、行政におけるPDCAサイクルを確立して
合理的な行政運営を図るという必要性が高まってきたと言えます。

このような状況の中、行政機関が行う政策の評価に関する法律、
いわゆる政策評価法が平成14年より施行されています。同法に
基づく政策評価は今年で8年目を迎えて、我が国行政において
ある程度定着してきており、重要性は一層高まっていると言えると思います。

さて、この政策評価制度に関して、総務省の平成21年度
予算案における取組を概観いたしますと、「行政評価等による
行政制度・運営の改善」は約7.5億円となっています。
対前年度比で5,000万円の減となっておりますが、この理由について伺います。

○政府参考人(関有一君)

先生の御指摘のとおり約5,000万円ほど減額となっております。
その主な理由でございますけれども、私どもの評価局で年金記録確認
第三者委員会の事務局を務めておりまして、出先機関であります管区
行政評価局、それから行政評価事務所の職員、相当数をそちらの方に
充当しております。

その関係で、政策評価とか、あるいは行政評価監視の
実地調査の回数が減少しておりまして、この関係で調査旅費の
削減があったものでございます。これが約4,000万円ほどでございます。
それから、イベントとかシンポジウムとかこういうものは抑制していく
という全体の方針の中で、政策評価フォーラム、これまで各地で
やってきたものでございますけれども、これを廃止することといたしまして、
これが約500万でございますが、そういうようなことで5,000万円ほど
減額の予算案となっているということでございます。

○吉川沙織君

大変、内容についてはよく理解できたんですが、実は
ちょっと気になることがございました。政策評価法が成立をして
施行される年からのそれぞれの当時の大臣の所信演説というものを
全部拝見いたしました。

そうしたら、今回の一番さきの鳩山総務大臣の所信に対する
政策評価についての言及が今までの大臣の中で最も少なかった
ものですから、これも予算が減ってしまった原因の一つなのかななんて、
ちょっとよこしまなことも考えてしまったわけであります。

ただ、重要性につきましては、先般の参議院総務委員会で、
我が会派の加藤理事の質問の際、大臣答弁で、「今後ともに
政策評価というものは最も重要な分野だという意識を持って
仕事をしていきたいと思っております。」とございますので、
期待をさせていただいて、次の質問に移ります。

次に、政策評価における費用対効果の検証ということについて
総務省に伺いますが、現在各府省、そして総務省が行う政策
評価について、費用対効果についてはどのように検証されているのか
お聞かせください。

○政府参考人(関有一君)

政策評価法第10条におきまして政策評価、各省庁が
政策評価を行いましたときには評価書を作成して、その評価書と
いうものはすべて総務大臣に送付されるということになっております。
総務省では、これらの評価書につきまして、評価がきちんと行われて
いるかどうか点検を行っているところでございます。

具体的には、御指摘の費用対効果分析の在り方なども
含めまして疑問点について各府省に対して事実関係の確認を
行いまして、データ分析や評価手法などに改善すべき点があれば
関係府省に指摘をしておるということでございます。

これまで指摘をいたしました費用対効果分析に関するもので
ございますけれども、便益算定の前提となります需要予測の
妥当性に疑問があるものなどがございまして、これまでも指摘を
行ってきたというところでございます。

○吉川沙織君

今の御答弁にもありましたけれども、これまでの大きな
課題として、政策評価と予算書や決算書との連携を強化する
ことがかねてよりずっと課題とされてきていたかと存じます。

平成20年度予算からこの関係を整理する取組が行われると
承知しておりますので、これにより、今御答弁いただきましたけれども、
従来以上に費用対効果を意識した政策評価が行われるのではないか
と期待しております。