2008年3月28日国会質疑録
総務委員会議事録‐2/3
○吉川沙織君
続きまして、経営効率化と視聴者視点のNHKどうあるべきか
という観点から、この10月1日から廃止をされる予定になっております
訪問集金の廃止について幾つか質問をさせていただければと思います。
受信料の契約業務、これは2つの側面があるのではないかと考えております。
1つ目が、公共放送としての自主自律を財源面から支えるために、
公平負担の徹底により公共放送の財源を確保するということ、
そして2つ目が、日常の契約収納業務、訪問集金で視聴者の皆様に
接する中で、厳しい意見や批判、期待を受け止め、これを事業運営や
番組制作に反映していくための視聴者との接点の役割を果たすこと、
この2つの側面があるというふうに考えています。
もちろん効率的に契約収納活動を実施するということは社会の要請で
あるということは間違いないことだと思います。ただ、視聴者第一主義、
そして視聴者との接点を確保するという点、そして契約収納関係費の削減幅が、
訪問集金の廃止、平成20年度から打ち出されているにもかかわらず、
平成19年度のその契約収納関係費の削減幅が余り大きくない、比較的小さい、
小幅であるということを考えれば、訪問集金の廃止に関して議論すべき点が
多いのではないかと考えています。
そこで、お伺いをいたします。
訪問集金は支払全体のいまだに15%、571万件がある。
そして、一連、残念ながら不祥事ございました。その後、訪問集金の
件数が増える傾向にある。今後、万一、残念ながら万一再び不祥事が
発生してしまった場合、訪問集金の場合はもうすぐに抗議の意思を示すために
やめて、また回復状況を見て払い出すということが容易にできますが、
それ以外の支払方法ですとなかなかNHKさんに対して抗議の意思を表示すると
いうことが難しくなるといういろんな問題があります。
そしてまた、私自身ずっと営業をさせていただいておりましたから、
私自身の経験をもってすごく思っているんですが、この担当者が来てくれるから
受信料を払う、あなたが来るから、あなたがここに足を運んでくれるから払ってくれる、
そういう側面もあるのではないかと思います。
これは、徴収担当者が訪ねた際にNHKさんに対する意見、批判、期待を
じかに伝える場になっているという側面を大きく持っているからだと思います。
10月1日の訪問集金の廃止後も契約開発や未収回収のための
訪問活動は強化されるというふうに書かれていますが、視聴者との接点と
いう役割が大きく後退するのではないかと思いますが、このことについて
会長の御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(福地茂雄君)
御指摘の件でございますが、現在、訪問集金の対象となっておられる
視聴者の方は全体の大体12%、これは今年の9月末の見込みで
12%と見込んでおりますが、この方々に定期的に集金にお伺いすることは
なくなるわけですけれども、一方で、今後も未契約とかあるいは未払の方に
対しての訪問活動は引き続き実施していくわけでございます。
その際に、それぞれの地域の視聴者のニーズでございますとか
視聴者の意向をお聞きする、放送事業に反映していくという基本姿勢は
今後も変わるものではございません。
NHKが18年度に年間620万件を超える御意見等を視聴者の方から
いただいておりますが、その受付方法は主として電話とファクシミリと
電子メールなど、訪問集金のとき以外にお聞きすることが件数としては
非常に多うございます。
そういったものが大体90%を占めております。今後も、そういった
視聴者の方々の声をお聞きするということの面では、むしろ訪問集金の
ときよりもそういったコールセンターを通じてお客様の声を聞く利便性を
一層高めていきたい、そういうふうな方向にいたしております。
それから、先ほども御指摘ございましたが、NHKの職員、これは
役員も含めまして、視聴者との触れ合いを通じてお声を拝聴するという
NHKふれあいミーティングというのがございまして、これが18年度は
全国で1,973回、延べ48,484人、よく調べております、こういった御参加を
いただいておりますが、今後もこういった取組を強化いたしまして、
先ほど来御指摘をいただいております視聴者との接点、視聴者の声を
謙虚に耳にするということには心掛けてまいりたいと思っております。
以上です。
○吉川沙織君
今、ふれあいミーティングや電話やメール、ファクスというお話、
そして訪問集金をなくしたとしてもちゃんと視聴者との接点は確保される、
そういう努力をされるという御回答だったと思います。
ただ、今、受付で、電話、メールとかで大体90%というふうに御答弁を
いただきましたが、平成18年度の視聴者の意向件数の受付方法別内訳を
拝見をいたしました。
そうしましたところ、1番が電話、2番がメール、そして3番目が、
割合としては当然違いますけれども、1番目電話、2番目メール、
3番目が集金時等という統計が出ています。
少なくともふれあいミーティングよりは圧倒的に意向を
把握している受付別の方法としては高いというような状況にもあります。
さらに、少し話を踏み込んで、受付方法別から受け付けた
意見の中でどんな内容だったかというところに目を転じますと、
実はこれは受信料関係が約50%というような形にもなっています。
ということは、受付方法別で電話、メールに次いで集金時等が
多いということ、そしてその内容は受信料関係が50%、約50%を
占めるということは、この2つの相関関係は結構高いのではないかとも考えられます。
さらに言えば、ふれあいミーティングもかなりたくさん開催を
されて、積極的にNHKさん変わっていこうというような取組は
物すごく強く感じたんですけれども、ふれあいミーティングで意見を
申し述べている人の割合がすごく少ないということ、そして積極的に
そこの場に出かけていって意見を言うということは比較的NHKさんに
対して好意を持っている、関心を持っている視聴者の皆様であるということ、
そして、電話、メール、ファクスにしても、こちらが能動的に
どうしても意見を言いたい、やむを得ないから意見を言いたいと
いう場合はそのアクセスを通じて視聴者の方は意見を伝える
でしょうけれども、本当にごくごく一般の視聴者の方で2か月に一遍、
半年に一遍足を運んで来てくれる担当者の方に本当の意見、
不祥事が起こって残念だけれども是非頑張ってくださいというような
そういう意見、聞いていると思うんですね。
だから、難しいんですけれども、訪問集金廃止というところは
致し方ない結論だったのかもしれませんけれども、今後、代替
手段としてもっと一般の視聴者のこと、声を聞くような仕組みと
いうものを是非つくっていただきたいと思っています。
そこで、会長に質問です。
平成19年の11月15日から平成19年12月6日にかけて訪問集金の廃止、
事業所割引の導入、そして家族割引の拡大についてパブリックコメントを
NHKさん出されています。
会長、御就任前ですので、もしかしたら御存じないかもしれませんが、
「「訪問集金の廃止」に対するご意見とNHKの考え方」というのが、こういう
パブリックコメントの結果が今NHKさんのウエブページからダウンロード
できるような形になっていまして、私自身これすべて拝読をさせていただきました。
会長は御覧になりましたでしょうか。
御覧になったか、なってないかだけの回答で結構でございます。
○参考人(福地茂雄君)
どういうものか、まだ目にした覚えはございませんが、就任以来いろんな
書類を目にいたしました。それ一つを今取り上げて、定かに記憶はございません。
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