2008年5月14日国会質疑録
本会議議事録‐4/6
○吉川沙織君
平成5年の電波利用料創設時以来、電波利用料の
歳入歳出差額の累積は、平成18年決算ベースで何と
217億円となっていますが、現時点での差額の累積についてお伺いします。
また、この差額は、当該年度の一般会計の中で
電波利用共益費用以外の国の経費に充てていると承知しております。
これに関して、電波法は差額の累積を電波利用共益費用の
財源に充てることができると定めていますが、これまでの
差額の累積を一体今後どうされるのか、お答えください。
200億円を超える累積を発生させている状況にかんがみれば、
電波利用料額を定める際には慎重に算定し、必要最低限の額に
すべきだと考えますが、見解を求めます。
平成17年の改正時には当時の大臣が、電波利用料収入が
増加の一途をたどるという懸念は当たらないものと認識している
と答弁されております。
しかし、今後も無線局の増加が見込まれる中、
一局当たりの電波利用料額が現状のままであれば、当然、
電波利用料収入は増加の一途をたどることになると考えられます。
無線局の増加の見込みと剰余金の累積も踏まえた
今後の電波利用料額の算定の在り方についてお伺いします。
次に、電波利用料の歳入歳出の公開状況についてお伺いします。
電波利用料の使途は、研究開発費に加え、国際機関との
連絡調整事務等拡大し続けていますが、今までは残念ながら
その使途について詳細な開示がなされていないのが実情です。
大臣御自身も、現状の資料では分かりにくいこと、
現状の決算書より詳しいものを総務省の責任で提示する
必要について、先般の衆議院総務委員会で答弁をされています。
歳入歳出の状況については決算書などで、
明細についてはホームページ等でも公開し、広く国民、
さらには無線局免許人がチェックできるようにし、十分理解が
得られるようにすべきだと考えますが、見解を伺います。
これまで、電波利用料の使途拡大と歳入歳出の明確化、
可視化の観点を中心にお伺いしてまいりました。
電波利用料制度は平成5年に創設されたものであり、
携帯電話の一般的普及など15年前と状況は一変しています。
電波法第103条の2第4項は、電波利用料とは電波の適正な
利用の確保に関し総務大臣が無線局全体の受益を直接の
目的として行う事務の処理に要する費用であるとしています。
しかしながら、前回の改正、今回の改正案に新たな使途として
追加、拡充されている一部事業は、電波利用料を財源とした
デジタルデバイド対策であると言えます。
今後、電波利用料を財源としてデジタルデバイドの解消を
より積極的に推進していくのであれば、電波利用料制度の在り方、
電波利用料の性格等を抜本的に見直す必要があるのではないかと
考えますが、大臣の認識をお伺いします。
続きの議事録(5/6)は、こちらです。
総務大臣の趣旨説明と答弁を併せて、参議院webページから引用しています。
項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。
(私自身の質疑内容は、議事録2/6〜5/6となります。)
- 議事録1/6
総務大臣による趣旨説明(電波法改正案) - 議事録2/6
はじめに
(みなし否決、再可決を行うことに対する大臣見解)
- 議事録3/6
電波利用料収入の増加に伴う使途の拡大
一般財源による施策と電波利用料を財源とする施策の区分 - 議事録4/6
電波利用料の歳入歳出差額の累積分と料額算定のあり方
電波利用料の歳入歳出可視化の必要性
電波利用料制度のあり方と今後の方向性 - 議事録5/6
おわりに
(本院最年少であり就職氷河期世代であること、4月30日にみなし否決で復活させた暫定税率より短い人生であること、
2年8ヶ月前に得た3分の2で再可決を繰り返すより、一刻も早く民意を問う必要性など)
- 議事録6/6
総務大臣による答弁