2008年5月15日国会質疑録
総務委員会議事録‐2/4
○吉川沙織君
次に、消防本部体制の充実についてお伺いしたいと思います。
総務省主導で行われております市町村合併により、
平成11年3月31日で3,232市町村であったものが今年の
11月1日には1,784市町村となる見込みで、市町村数は激減しています。
合併のピークは過ぎたものの、駆け込みで合併を行った
自治体も見受けられ、そのような合併自治体では
地域防災計画に関する議論が十分になされておらず、
指揮命令系統の整備など消防防災体制が不十分である
おそれが存在します。
また、何より地方自治体における厳しい財政状況により、
これまでの消防本部体制を何とか維持していくことで
成り立たせているというような現状もあります。
消防本部に対する予算を付けづらい現状にある中、
今回、法改正をするのであれば、予算、要員等の支援も
同時に行わなければ現場対応と整合性が取れなくなると
考えますが、消防庁の対応をお伺いいたします。
○政府参考人(荒木慶司君)
消防庁といたしましては、消防力の整備指針を
策定いたしますとともに、消防の広域化の推進により
現場要員の増強を図るなど、予防要員を含め必要な
消防職員の確保に努めているところでございます。
今後とも、所要の地方財政措置の確保に努めます
とともに、各市町村において消防体制の充実強化の
必要性を認識しまして、地域の実情に即して必要な
消防職員の配置が図られますよう適切な助言や支援を
行ってまいりたいと考えております。
○吉川沙織君
今、長官の御答弁の中で、消防の広域化の推進という
お話ありましたけれども、消防の広域化の推進につきましては、
平成18年6月の消防組織法改正を受け、平成18年7月に
消防庁が市町村の消防の広域化に関する基本方針を
お示しになっています。
これによると、平成19年度中に県は市町村消防の
広域化に係る推進計画を定めることとなっておりますが、
すべての都道府県でこの計画策定は完了しているのでしょうか。
○政府参考人(荒木慶司君)
平成20年5月1日現在、31都道府県でただいま
お話ございました広域化推進計画が作成されたところでございます。
その他の府県におきましても、現在、広域化の組合せ等に
つきまして関係市町村と調整を行うなど、計画の作成に向けまして
鋭意お取り組みをいただいているところでございます。
消防庁としましては、引き続き推進計画の作成と
計画に基づきます消防の広域化の実現に向けて
必要な助言、支援等を行ってまいりたいと考えております。
○吉川沙織君
私、てっきりこれ、47都道府県すべてで完了しておりますという
御答弁がいただけるものと思っておりましたので、今31という
お答えでしたから、ちょっとびっくりしております。
平成19年度の消防広域化支援対策というものが
消防庁から出されておりますけれども、これに、都道府県の
財政支援措置の中に消防広域化推進計画の策定経費という
財政措置が講じられております。
それにもかかわらず31都道府県でしかできていない
ということは、どういうことなんでしょうか。
○政府参考人(荒木慶司君)
ただいまの御指摘でございますが、私どもとしましても、
この推進計画につきましては19年度中の策定を
期待しておったところでございますが、実際、47都道府県、
鋭意お取組はもう19年度からしていただいておりますが、
そのうち31都道府県は市町村等との調整が付きまして
計画の形でまとまったわけでございますが、
他の団体も決して手をこまねいているわけでありませんで、
大変御苦労をいただいて、今鋭意まとめるべく御努力を
いただいているところでございますので、是非御理解
いただきたいと思います。
○吉川沙織君
今の御答弁の中で鋭意という言葉が何回も出てきましたので、
鋭意策定に取り組んでいただきますようお願いいたします。
消防の広域化に関しては、広域化の期限自体を
平成24年度までと定め、広域再編の目標規模の
管轄人口をおおむね30万人とされています。
また、これに期待されるメリットとして、住民サービスの向上、
人員配備の効率化と充実、消防体制の基盤強化を挙げて
おられますが、それまでは広域化の目安を人口10万人と
していたことから、効率化を進めたいという側面があるのでは
ないかと疑念を抱かざるを得ません。
広域化によって住民サービスが現状より低下しないこと、
不必要な広域化は進めるべきではないと考えます。
そして、現場第一線で働く消防職員の皆様のことを
十分配慮した広域化とするべきですが、何か御見解が
あればお聞かせください。
○政府参考人(荒木慶司君)
ただいまの吉川委員の御指摘はいずれもごもっともで
ございまして、私どもこの広域化は、やはり地域の住民の
方々のためにこれはやるわけでございますので、消防力の
パワーをアップしまして、広域化を図ることによりまして、
いざ大きな事故、火災ですね、
あるいは自然災害等があったときに地域住民を
的確に守るために、やはり広域化ができるところは
できるだけ規模を大きくしていただくことが大事でございますし、
さらに、救急搬送等も消防で行っておりますが、こういった
仕事につきましても広域化が図られることによって更に
効率が上がりまして、地域住民のサービスの向上につながると、
このように考えております。
○吉川沙織君
平成18年の4月11日、参議院総務委員会で、消防組織法の
一部を改正する法律案に対する附帯決議の中でも、現場の
消防職員に広域化の計画の策定に当たっては情報を開示し、
意見の反映が図られるよう指導すること。
あと、今回、広域化に伴ってもしかしたら統廃合という
ことにもなるかもしれませんが、現場第一線で働いて
おられる皆様に配慮をして安易な削減ということには
至らないよう、お願いしたいと思っております。
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