2008年12月18日国会質疑録
参・厚生労働委員会答弁録‐3/3
○小池晃君
内定取消しの問題で様々な議論がありますが、提出者にお伺いします。
ちょっと端的にお願いしたいんですが、この内定取消しを
規制する改正案については、これは解約権の濫用禁止の
明文化とともに取消し理由の文書による明示義務が
入っているわけで、私は、こうした法文化というのは現在の事態に
少なからぬ影響、効果があると思うんですが、その点については
どうお考えか、端的にお答えください。
○委員以外の議員(吉川沙織君)
端的にお答えさせていただくよう努力いたします。
先ほどから、16条の中で解雇の条項は含まれているから
それでいいという、そういうお話ございましたけれども、10年前、
1,077人の内定取消しが出て、それと決定的な違いがございます。
当時は、経営破綻による内定取消しが85%で、経営悪化による
内定取消しは15%、これは平成10年の3月13日の労働委員会で、
これ、政府参考人の答弁がございます。
現在は厚生労働省の統計で331人ですが、331人中212人もが
企業の経営悪化による、どちらかといえば、経営破綻そのものではなく、
経営悪化によって内定を取り消されている。
それはつまり16条が余り分かられていないこと。
ですから、内定取消しを別に取り出して法文化する意味は、
内定取消し、もし内定取消しになってしまえば3つしか選択肢がありません。
留年をするか、先ほど亀井議員もお答えになられましたが、
留年をするか、若しくは非正規として社会に出るか、それぐらいしかありません。
そして、残された期間で就職先を見付ければいいじゃないか、
そういうお話もありましたけれども、実際、今の時期にまとまった
求人はないという、そういう意見を表明している大学の就職進路センターも
たくさんあります。
ですから、その効果というのは抑止力、余り広く知られていないと
いう意味で抑止力にもなること、そして取消し事由の明示義務は、
内定取消し事由をあらかじめ労働者に明示させることにより、
一定の事由がある場合には内定が取り消されることがあり得ること
を知らせるためのものです。
一定の事由がある場合には内定が取り消されることがあり得ることを
知らせるためのものではありますが、そのような事由に該当したからといって
当然に内定取消しが法的に有効となるような趣旨のものではありません。
以上でございます。