2009年4月1日国会質疑録
災害対策特別委員会議事録-5/5
○吉川沙織君
時間の関係で、次に耐震診断の公表についてお伺いをいたします。
昨年6月に改正されました特別措置法では、耐震診断の実施と
併せて耐震診断の結果の公表も義務付けられました。しかしながら、
その公表については、耐震診断の実施よりも更に残念ながら取組が
遅れている現状にあります。
最新の公表状況についてお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(岡誠一君)
お答えいたします。
平成20年4月1日現在の耐震診断結果を公表している
学校設置者の割合でございますけれども、51.8%でございます。
○吉川沙織君
今、20年4月現在で51.8%とお教えいただきました。
ただ、私、今年に入ってから新聞を見ておりまして、1月8日の
読売新聞、1月18日の朝日新聞の報道によると、公表を行った
自治体は昨年10月1日現在で4割にとどまっていると、こういう
報道がありました。
今おっしゃった51.8%と校舎耐震診断六割未公表というのは整合性が
取れないのでちょっと調べてみたんですが、どこを見ても分からなかったので
お教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(岡誠一君)
お答えいたします。
今先生がおっしゃられた新聞記事については承知しておりません
けれども、私どもが調べている20年4月1日現在の耐震診断結果を
公表している学校設置者の割合というのは51.8%になっております。
○吉川沙織君
今御答弁いただいた51.8%の設置者の母数が1,895になっています。
読売新聞さんのは1,894団体、朝日新聞は1,893団体ですから、
この設置者の母数についてはほぼ一緒ですので、多分同じところに
調査の結果の公表を依頼したんだと思います。ですから、整合性が
取れないことに関しては、今承知していないということでしたので、
是非今年の1月の新聞でございますので御覧いただいて、これは
どっちが正しいのかまたお教えいただければと思っております。
ただ、いずれにしても言えることは、耐震診断の実施よりも公表が
遅れているということは違いないですので、この公表については
一層の取組を進めなければならないと思っています。
この公表が遅れている原因はどこにあるとお考えでしょうか。
○政府参考人(岡誠一君)
お答えいたします。
耐震診断の公表につきましては、先ほど先生がおっしゃられました
ように、平成20年度中に結果の公表を行うよう全国の市町村に強く
求めてきたところでありまして、現時点におきましてなお公表を
行っていないという市町村があれば、誠に遺憾なことでございます。
公表を行っていない理由ということでございますけれども、
地方自治体等からヒアリングしたり推測したりいたしますと、
診断を行っても耐震化の計画が示せないので診断自体行わないとか、
改築や廃校等を予定しているので診断を行う必要がないでありますとか、
数年後に補強を予定しているので、その前年にも診断を行えばいいと
いったような理由を地方自治体が申しているところもございまして、
いずれも私どもは診断を行わない理由にはならないというふうに
考えているところでございます。
○吉川沙織君
私の理解が悪かったのかもしれませんが、余り理解できませんでした。
いずれにいたしましても、数次にわたる通知を発出していただいたり、
あと取組を進めるんだということもありますが、結局は、耐震診断を
実施してその結果が悪ければ、それを公表すると住民に不安をあおる
ということになるからなかなか公表が進まない理由だと思っています。
付け加えますと、先ほどの記事によりますと、都道府県別の
公表率は、大臣御地元の栃木県が最少の3.1%となっておりますので、
是非リーダーシップを持って進めていただければと思っています。
この耐震化にしても耐震診断にしても、財政状況によって
耐震化の取組が遅れている市町村が、やっぱり今申し上げた
とおり住民等の不安を懸念して公表をためらうケースが多いと
言われています。
公表を促進するには、文科省さん、いっぱい通知出されていますが、
通知の発出よりも、学校施設耐震化にかかわる、これ耐震診断も
含めますが、十分な財政措置がまずは必要ではないかと考えますが、
いかがですか。端的にお願いします。
○政府参考人(岡誠一君)
お答えいたします。
公立学校施設の耐震化につきましては、平成20年度第一次
補正予算、第二次補正予算及び21年度予算に、必要な額として
合わせて約2,800億円という20年度当初予算の倍以上の規模の
関連予算をつぎ込んだところでございます。
こういった予算を使いまして、耐震化を進めてまいりたいというふうに考えております。
○吉川沙織君
予算を付けてそれをしていただくのは結構なんですが、結局
最終的には市町村が自治体財政の厳しい折にこれをやって
いかなければならないということですので、やはり問題は多いと思います。
今までいろいろ申し上げてまいりましたが、昨年5月の四川
大地震があって、そして今回の北朝鮮の長距離弾道ミサイル等の
事案など、災害にせよ緊急事態にせよ、いつ発生するか分からない
事態が多く想定されます。そのための予防措置であったり整備で
あったりしますのに、自治体の財政状況によって整備が
かなわないような現状が存在いたします。
国民の命と暮らしを守るのは政治の役割にほかならないと
思っています。学校の耐震診断、耐震化に関しても、今回の
Jアラートの問題に関しても、災害や事案が発生してからその
不備がクローズアップされてしまうという結果に残念ながらなっています。
そうならないための政治でありますから、今の政治がその役割を
まだ十分に果たせていないことは残念に思いますが、佐藤大臣始め、
私たち政治家がしっかりやっていかなければならないということを
強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。