2009年3月24日国会質疑録
総務委員会
質疑模様、委員会全景
質疑模様、鳩山総務大臣答弁
3月24日の総務委員会では、30分の時間をいただき、
平成21年度予算案の委嘱審査で質疑に立ちました。
●主な質疑内容
今回の質疑では、「政策評価」という大きな観点に基づき、質疑を行いました。
(1)政策評価関係予算の動向
(2)政策評価における費用対効果の検証
(3)各府省の自己評価の甘さと総務省の政策評価の意義
(4)厚生労働省の政策評価の改善必要性
(5)第三セクターの経営状況の予備的診断流れ図
(6)政策評価テーマ選定の在り方
●概略
(1)について
政策評価は、いわゆる政策評価法(行政機関が行う政策の評価に関する法律)
の施行に伴い各府省において行われて5年経過していますが、
まだまだ改善すべき点が多いのが事実です。
しかしながら、平成21年度予算における取り組みでは、
対前年度比で大幅な減額となっており、
この原因について総務省に見解を質しました。
(2)について
政策評価は、第一義的には担当の各府省において行われることになっていますが、
その費用対効果の検証方法について見解を質しました。
なお、政策評価と予算・決算との連携については、
平成20年度予算(平成21年度の政策評価分)から
この関係を整理する取り組みが行われることになっています。
(3)について
政策評価法では、総務省は政府全体の政策評価制度を統括する立場として、
評価の客観性や総合性を確保する役割を担うこととされています。
この関係で、2008年11月、
総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が幾つかの政策について、
所管する省庁による自己評価が甘いとの趣旨の検証を行っていることについて、
総務省に見解を質しました。
(4)について
総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会が行った評価について、
厚生労働省の事例を取り上げて、
指摘された内容についての厚生労働省見解と
改善に向けた取り組みを厚生労働省に質しました。
取り上げた政策評価は、「育児休業制度」に関するものですが、
厚生労働省自身の政策評価としては、
「女性の育児休業取得率は平成14年度の64%から平成19年度には89%に上昇、
女性の継続就業率が伸びない原因として、
継続就業を希望しながら
長時間労働等により、体力がもたなそう、
との理由で退職する者が大半を占めている」としています。
これに対し、総務省の委員会は、
「既に継続就業の希望を実現した女性を母数として測られる育児休業取得率では、
その達成度を政策効果として的確に把握することはできない」としているものです。
(5)について
旧自治省が「第三セクターに関する指針」の中で、
第三セクターの経営状況をつかむため提示した経営状況の予備的診断の流れ図において、
経営努力を行いつつ事業は継続できるという、
最高評価の「A」と診断されながら、
整理や支援が迫られる第三セクターが相次いでいることが、
2009年に入って明らかになっています。
このような状況に鑑みれば、
この流れ図は、診断基準として全く機能していなかったのではないかということ、
機能しない流れ図が使われ続けたことによる悪影響について総務省に見解を質しました。
(6)について
財政の論理で政策評価テーマが制限を受ける懸念、
国民・国会の意見を踏まえたテーマ選定の必要性について、
大臣の見解を質しました。
前者に関しては、政策評価に関する重要対象分野の評価の推進は、
経済財政諮問会議がテーマを提示することになっているからです。
つまり、経済財政諮問会議を関与させることで、
テーマが財政の論理に縛られる可能性が強いと考えられる懸念が捨てきれません。
だからこそ、政策評価のテーマ選定について、
国民・国会の意見を踏まえて行うことが必要であるとの認識に立ち、
大臣に見解を質しました。