2009年3月30日国会質疑録
総務委員会議事録-4/4
○吉川沙織君
ここまで、できる限り、視聴者との接点、
回路の確保という観点からお伺いをさせていただきました。
視聴者を大事にする、つまりは現場で働く人を大事にすることで
あるとの思いから、3か年経営計画との関連をお伺いいたします。
この中では、技術、営業、事務を効率化した上で、放送部門への
パワーシフトが具体的施策の一つとして掲げられています。
しかしながら、放送部門へパワーシフトをするということは、
つまりは経営計画の全体目標である接触者率の向上、
3年後80%と、支払率の向上、3年後75%に資することになるのか、
会長の見解を端的にお伺いできればと思います。
○参考人(福地茂雄君)
本格的なデジタル時代に向けまして、放送サービスの質を
高めていく、そして受信料の価値をより大きくしていかなければ
ならないわけですが、このためにすべての部門で聖域なしに
経営資源を見詰め直していこうと。総額がなかなか増えない中で
伸びる部門にどういうふうに経営資源を配分していくかということは、
これは経営戦略の中で一番重要なことだと思っております。
そのためには、放送部門については、これは人は絶対減らさない、
資金も今までのものは確保する。その部分を、御指摘のように
技術とか営業の方から出ていくわけですけれども、これについては、
大事な仕事ですから、その仕事をほかの部門で、仕事を関連団体に
持っていくとかいろんな工夫をしながらしていくと。
要するに、今度の中では経営資源をシフトするということに
重点を置いていきまして、そういった考え方で取り進めてまいります。
○吉川沙織君
経営資源をシフトするということ、パワーをシフトしていくこと
というのは分かるんですが、限られた人数の中で放送部門に
回すとするならば、やはり技術、営業、事務という部門が減って、
そこの職場の人たちは残されていくわけです。
そうなると、その残された少ない人数の中で過重労働とも
言えるような環境で現場を守っていかなければならない。
そこのモチベーションの維持についてはどうお考えでしょうか。
○参考人(福地茂雄君)
具体的には、この営業、技術につきましては、職員の業務の
在り方を見直すという、削減だけでなくて必要な業務分野には
要員を配置していきます。それから、関連団体も含めた外部パワーも
活用します。そういった中で効率的、効果的な業務体制を構築していきます。
○吉川沙織君
これまでの3か年、つまりこの平成20年度までで1,200名の
職員を削減してきたことになります、計画に基づいて。経営効率化は
もちろん大事なことだと思いますが、現場に大きな大きなしわ寄せが
来てしまっては、公共放送NHKとしてみずみずしい放送文化を
守っていくことに支障を来しかねないのではないかと思っております。
また、この3か年の経営計画にもこの点についての記述がありますが、
会長は現場主義、そしてお客様、視聴者第一主義を掲げておられるはず
ですから、現場の職場環境の改善というものにも取り組んでいただきたく思います。
また、風通しの良い自由闊達な職場環境が公共放送NHKを
支えていくことになると考えておりますので、そこは会長を始めとして
リーダーシップを発揮していただければと思っております。
今日は、視聴者主義、そして視聴者との回路という観点から
様々な質問をさせていただきました。まだまだ一連の不祥事の
視聴者からの信頼回復、そして私のような若い世代の接触者率が
まだまだ少ないということは、平成20年度の約束の中でも一つ項目を
立ち上げて触れられているように、様々な課題がまだまだあると思っております。
また、視聴者を第一に考えて、そして視聴者を大事に考えるからこそ
放送の質が向上する、でもその放送の品質を向上させるためには
現場で働く人にも思いをはせて経営をされていくことが大事かと思いますので、
そのようなことを若い世代の視聴者の一人として心よりお願いを申し上げて、
私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。