常任幹事会(第26回参院選総括)
8月10日の常任幹事会では、これまでの議論を経て第26回参議院議員通常選挙総括が了承されました。
了承される直前にも厳しい議論が交わされましたが、これらをすべて踏まえたうえで前に進んでいかねばならないと思っています。
自治体議員ネットワークを代表して出席いただいている常任幹事(代理)からは、自治体議員との情報共有を大事にしたこの間の進め方に感謝の意を表していただき、とてもありがたく感じています。
私にとっては、いろんな意味で一区切りです。
議席に届かなかった先輩や仲間の思いを抱いて、これまでの15年間を少しずつ振り返りながらこれからを考えたいと思います。
その前段でどうしても。
今回の常任幹事会の前日に行われた執行役員会において、ある自治体議員の方からいただいた「一部箇所について当初案に戻すべき」という意見を総括に反映できないか発言しました。
当該箇所に関しては、両院議員懇談会で相当強い意見が出されて変更となった経緯があり、難しいのは承知のうえでしたが、党の置かれた現状を考えたとき、実態により即していると思ったためです。私自身が訴えてきたことでもありました。
執行役員会でその旨議論したことを報告したのですが、いただいた返信に涙が出ました。
このやりとりひとつだけでも、この間かけた時間は私にとってとても意味あるものとなりました。まだお目にかかったことがありませんので、直接お会いできる日を心から楽しみにしています。
ご本人の了解を得て、前段と後段をのぞきいただいた返信を掲載させていただきます。
(前段略)
私は、2017年に立憲民主党が結党した時に、大きな期待を寄せて応援し始めたことがまだきっかけで政治の世界に入りました。
その時に思っていたことは、困っている人に必要な支援の手を差し伸べる社会にしたいということ、不公正や不公平、横暴な政治を、まともなものにしたいということです。
そのためにどうすればよいのか、議員になる前はあまりよくわかっていなかったように思います。
市議会議員になり、過半数が市長与党の議員の中で、会派を組むことができる最小限の会派人数で毎回の議会に臨むのは、本当に大変なものです。政治も民主主義もあまりよくわからないまま、この世界に飛び込んだことを後悔しない日はないという毎日を過ごしてきました。
しかし、少数会派でも、必要なこと、まっとうなことを訴え続けると、支持する市民も出てきます。
職員も議会ではのれんに腕押しのような対応でも、あとでそっと共感を寄せてくれたり、管理職ではない職員たちが本当は進めたい政策があるのに進められないことなどを相談に来るようになりました。
与党会派自体はなかなか崩せなくても、私の主張に共感を寄せてくれる議員が声をかけてくれたり、議場内で「賛成はしないまでもあの会派の言っていることも一理あるな」という雰囲気を感じたりすることもありました。
このようなことを重ねると、何か大きな改革や展開を成し遂げることを狙っていくより、地道に議会の議論に緊張感を持たせること、少数会派の意見でも市民や職員にとって必要性と納得性があれば応援してもらえること、その後押しで小さくても確実な変化を起こせると感じています。
それは人目を引くものではなく、華々しいものではないかもしれませんが、確実に民主主義の歩みを進めていくために必要なことなのだと思っています。
地方自治体の議会と国会は規模も議論の内容や質も違うかもしれませんが、この感覚は国会でも必要なことなのではないかと私は思っています。
与党の政策がどんなにいいと言われても、国民は「いいことはいいんだ」というような説明では納得できません。
誠実な議論がないまま決められたことには、国民も納得できませんし、自分ごとと思えませんから、税金を納めることをばかばかしく感じたり、遵法意識も薄れていだたりするのではないでしょうか。
国民は、やはり何が起きているか知りたいし、これからどうなるのか理解したいのです。透明性の高い、公平公正な政治を望んでいるのです。
それを打ち出してこそ、その先に私たちに政権を任せてみようという国民が増えてくるのだと思います。
私たち野党は、与党に責任を果たすように迫る仕事や役割を通して、国民から預かった議席とそこで発言する権利を行使していくべきなのだと思います。
そこに力を注がずに政権交代だけ唱えても、国民には響かないと思います。
私の言いたい放題の意見とは違い、吉川さんは国会内での議論を深め、まとめていくことが求められるお立場ですから、大変な思いをされたことと思います。
この状況に焦る議員、冷ややかに傍観する議員などなど、誠実に真摯な議論ができる人ばかりではない状況かもしれないと思います。でも、吉川さんのおっしゃっていることに、私は心から共感しています。
僭越ですが議会で仕事をするものとして、ともにこの国の民主主義を守っていけたらと思っています。
(後段略)