海底ケーブル敷設船「きずな」視察
-
海底ケーブル敷設船「きずな」
-
ケーブルタンク(線内)
-
船上
閉会中の10月、全国各地のあいさつ回りの合間を縫って、海底ケーブル敷設船「きずな」を視察する機会をいただきました。
私は通信事業者の元社員であり、通信事業や携わっていたSI・ソリューション分野にはそれなりの勉強をしたものの、海底ケーブルについては身近にあるものではなく、知らないことばかりであったことを今回の実情視察で改めて痛感し、経済安全保障の観点から今後知見を深めていかねばと思っているところです。
日本の国際通信の実に99%が海底ケーブルを経由しています。衛星通信で代替すればよいのでは?と思われるかもしれませんが、現在の技術では、大容量通信ににおいて光ファイバーには遠く及ばず、伝送距離の問題から遅延が大きくなることから、海底ケーブルが非常に重要となっています。
また、我が国は島国でもあり、海底ケーブルの安全性を確保する必要があり、そのために多くの努力がなされています。といっても、海底ケーブルに携わる事業者やメーカーが非常に限られていることや制度の狭間に陥っていたり、非常に古い法律の下での運用課題もあり、解決すべき課題はあちこちにあります。
政府は、2025年6月に「デジタルインフラ整備計画2030」を公表しており、海底ケーブルも重要なインフラと位置付けていますが、厳しい実態をもう少し反映すべきではないかと強く感じています。
この場をおかりして、詳しく現況説明をいただいたNTTワールドエンジニアリングマリン社の関係者の皆様、視察の場を提案いただいたNTTワールドエンジニアリングマリン分会の皆様、そして現地で移動手段等を提供してくれた同期に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
なお、1回の投稿では分かりづらくなることから、今後、いくつかの項目を複数に分けて報告したいと思います。
〔予定している項目〕
◎海底ケーブル敷設を通じた国際的な代理戦争
◎台湾海峡におけるケーブル切断
◎日本のリスク、海底ケーブルから盗聴!?の真相
◎海底ケーブル敷設作業
◎国策としての海底ケーブル事業の必要性
◎海底ケーブルの保守
◎「きずな」の災害対応機能 など
