天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議
衆参両院正副議長が主催する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が、衆院議長公邸で行われ、これに出席しました。
今回の全体会議は、4月以降で3回目となります。
この全体会議で主要な論点とされているのは、次の点です。
ただし、平成29(2017)年の退位特例法の附帯決議が議論の前提のはずですから、そもそもこの論点の範囲が狭すぎるという問題意識を私は持っています。
(1)女性皇族の婚姻後の身分保持及び配偶者・子の身分
(2)皇統に属する男系男子の養子縁組
(3)その他
上記3点に関して、前2回の会議で各党・会派が意見表明を行っており、これらを受け正副議長4者が立法府の総意のとりまとめに向けた調整を行っていました。
今回の全体会議は冒頭、衆院議長から「衆参正副議長による議論のとりまとめ(案)」に関する説明が行われました。とりまとめ案では、(1)案と(2)案について「いずれも了とし、このとりまとめを基に法制化することを求める」としています。
女性皇族の身分保持の(1)案に関して、とりまとめ案は「皇室典範を改正することとし、具体的な制度設計に進むべき」と明記し、典範第12条を中心とする本則改正が想定されるとしました。
養子縁組の(2)案に関しては「いわゆる旧11宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々を対象にして、具体的な制度設計を行う」とした上で、養子の年齢や養親の範囲、手続等の要件など「慎重に制度設計を行う」と指摘しました。
また、法施行状況を踏まえ、検討条項を附則に設けることや、安定的皇位継承の確保策の検討を附帯決議で確認することなども求めました。
このとりまとめ案の提示を受け、各党・会派が意見表明を行いました。
そもそも、今回のとりまとめ(案)に関しての扱いがこの全体会議まで「非公開」としての取扱いを求められていたため、党の見解を示すにはこの会議を経てから、というのが筋であると思いますし、長浜本部長からその旨指摘したところです。
また、日程も相当無理があり、このとりまとめ(案)が提示されたのが、6月5日(金)、この全体会議が6月8日(月)、次回の全体会議が6月10日(水)となっており、党内で意見を集約しようにも6月9日(火)しか日程がありません。
しかも、後議の院である参議院には、衆議院から多くの議案(法案)が送付されてきており、委員会審議のただ中にあり、しかも、6月9日は、火曜であり委員会の定例日でもあります。
ですから、このような日程でとても大事な議論を拙速に進めようとすること自体、無理があると言わざるを得ません。
また、今回の(2)案に関しては、平成29(2017)年の退位特例法の附帯決議に「養子」の2文字はどこにも存在せず、しかも、現行典範において明確に「養子は禁止」されているのです。
さらにいえば、平成17(2005)年の政府有識者会議報告書でも、旧皇族の皇籍復帰については、「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難」とされています。
衆院議長からは、今回の全体会議の最後に、次回の全体会議で結論を得たい旨発言があり、内容もさることながら、運びが拙速であることは否定しようもないと感じたところです。
