皇室典範等の一部を改正する法律案に対する修正案概要説明
いわゆる正副議長4者のとりまとめまでは最大公約数の女性皇族の婚姻後の身分保持に賛意を示すのみで典範改正法案に関しては、条文を目にするまではということで賛否について保留していました。
しかし、6月30日の臨時閣議を経て国会に提出された皇室典範等の一部を改正する法律案の条文は、いわゆる正副議長4者のとりまとめを逸脱する内容が含まれており、党内で議論の末、逸脱する部分のみに修正を加え、これを委員会に提出し、修正案が否決されれば原案に反対せざるを得ないことを決定しました。
よって、最小限の修正を加えるための修正案を用意し、その概要について公表しました。長くなりますが、概要については、以下のとおりです。
概要が固まり、党内への概要説明を口頭で行った後、各社からご要望をいただき、急きょ会見を行ったものですが、多くの記者の皆様に出席をいただきました。
吉川)
今日は私一人で対応させていただきます。党検討本部本部長代理の吉川でございます。
我が党は先週の常任幹事会において、今回の皇室典範等の一部を改正する法律案に対して修正案を提出して審議に臨むということを公表しました。完成には至っておりませんけれども、おおよその項目について方向性が出ましたので、その内容についてお知らせをいたします。
柱としては4点からなります。
1つ目の柱が皇族の養子に関する改正規定を削ります。皇族の養子に関する事項にかかる皇室典範の改正規定を削ることといたします。これが 1点目。
2点目が皇族の身分を離れた者及び皇族となった者の戸籍に関する法律と、住民基本台帳の改正規定を削ることといたします。
これは女性の皇族が婚姻をされた時に、住民基本台帳の適用を受けるとされるものにかかることでございますが、そもそも配偶者と子の身分について、いわゆる正副議長4者のとりまとめの中において、配偶者と子の身分については書かれていませんでした。
ですので、それを決めていないんだから、現行規定とすれば確かに配偶者と子を皇族にするとはなっていませんので、それはそうなるんでしょうけれども、改めて議論をするべきであるということで、住民基本台帳を削る代わりに、3項目めとして、内親王または女王が天皇及び皇族以外の男子と婚姻した場合において、当該男子及び当該内親王または女王の直系卑属が皇族の身分を有することとするかどうか、すなわち、これは配偶者と子の身分については、この法律の公布後、速やかに検討が行われ、この法律の施行の日までに、その結果に基づいて必要な関係法律の整備が行われるものとする規定を追加します。
これは一旦住民基本台帳の部分を削りますけれども、配偶者と子の身分については別途ちゃんと検討しましょうよという、こういうのが3つ目の柱でございます。
最後でございます。こういう検討を行いますので、政府原案としては、施行期日については公布の日から起算して3月、3か月を経過した日からとなっていますが、配偶者と子の身分について改めて検討する必要があると考えられること。しかしながら、喫緊の課題でもあることから、現実的なところとして、公布の日から起算して1年を経過した日に改めることとします。
また、先日の衆議院の議院運営委員会での審議でも、複数の議員から質疑項目として出ておりましたけれども、附則第6条の見直し規定のうち、同条第1項の規定により検討が加えられるにあたって、皇族の数の確保の状況等を勘案し、必要があると認められるときは、30年ごとに見直しが行われるものとする旨の規定。これは養子にかかる規定と読めますので、こちらも削除することといたします。
また、これ以外においていくつか懸案事項はございますが、それらについては、「その他所要の規定の整備を行う」、こういう柱立てにしております。
ですので、1つ目の柱が皇族の養子に関する事項にかかる改正規定を削ること。
2つ目として、住民基本台帳と皇族戸籍法に関する法律を削る。もう少し技術的なことを申し上げますと、この2つを削りますと「及び」法になります。
現在、政府から提出されております議案名は「皇室典範等の一部を改正する法律案」でございます。本則が3本以上束ねられますと、主要な法律の後に「等」を付けて提出する。私、これ専売特許で「束ね法案」としてずっと指摘してまいりましたけれども、今回の修正にあたって、皇族の身分を離れた者及び皇族となった者の戸籍に関する法律と住民基本台帳の本則改正から落ちますので、そうなると法律名も2本ですと「及び」としてつなげますので、皇室典範「及び」皇室経済法の一部を改正する法律に改めるということになります。3点目は検討条項、 4点目が施行期日等ということになります。以上でございます。
〔主な質疑応答〕
質問)
今説明いただいた特に1点目、養子については削るという、改めてご説明になってしまうが、立憲民主党としては慎重な検討が必要という背景のもと削るということになったと思うが、その意義、受け止めについて伺いたい。なぜそういうことが必要かと。
吉川)
まず、現行典範の第9条において、明確に養子を取ることができないとされていて、禁じられております。それが禁じられた理由としては、皇統の紊乱を招くとか、そういったことがあります。ですので、禁じられていた。もっと言いますと、平成17年の政府有識者会議においては、これは国民の理解と支持、安定性、伝統いずれの面からもダメだと言われていたものですので、そもそもこれ制度設計が慎重という前提にも立たないということは、本部長が全体会議の場においてもずっと指摘していたことでもあります。
また、とりまとめの中からも外れている条文、例えば今回の第38条においては、これはもう現行法に則って解釈すればそう書くんでしょうけれども、そう書くにしても、最小限度の改正の条文としているがために矛盾が生じているような、例えばどう読んでも第38条は、養子の子の皇位継承、これを認めるという条文があります。
その先のことはほったらかして、記者にだけ配って説明したみたいなものもありますので、もうこれは全部削るのが整合が取れるという判断でそのようにしました。
質問)
見直し規定の30年のところだが、養子にかかっているように読めるのでということだが、女性皇族の身分保持については見直しの必要はないという、そういう判断だということで良いか。
吉川)
第6条には1項と2項がございます。1項で両方にかかっているとの答弁が衆議院議院運営委員会でもございまして、特にこの1項と2項は、なんで重ねて書いたのかというような問いも、衆議院議院運営委員会では先日あったようにも思えます。ですので、1項で十分読み込める。しかもこういうのがなくても、最近見直し規定を置く法律も見受けられますけれども、法律っていうのはほとんどの場合が新規制定法でなければ改正法なんです。
必要とあらば改正はされるべきもの、見直されるべきものという解釈に立てば、別に見直し規定全部取ったっていいんですけれども、特にこの1項で両方を見直すと読めますので、わざわざ30年後と。
しかも、この前の衆議院議院運営委員会の答弁ぶりを拝聴しておりますと、30年ごとにはとか、これ場合によったらそれも見直さないかもしれないようにも聞こえましたので、ここはもう削るということにしました。1項が残っていますので、見直し規定を全部削ったわけではございません。
質問)
今回、立憲民主党が用意されている修正案の中で、女性宮家もしくは女性天皇、女系天皇への言及はあるか。
吉川)
今回、今申し上げた内容が柱で、もう最小限度、こちらもやっぱり4者のとりまとめを踏まえて、養子の部分はすみません、全部削るということにしましたけれども、実は配偶者と子の身分については、党としてはご家族一体をなすものであって、それがあるべき姿だというふうなことは、これまでも繰り返し本部長の方からも申し上げておりましたけれども、修正案はあえて4者のとりまとめを尊重して、配偶者と子の身分について、住基台帳は取るけれども、もう一回ちゃんとみんなで一般国民のままとするのか、皇族とするのか、検討しましょうという検討条項を置いているぐらいです。
ですので、あくまでこの法律案に対して真摯に向き合った形で最小限度の改正ということですので、そこについては触れない予定です。
質問)
参議院野党第一党が修正案を出すというのは非常に重いことだ。この提出を受けて、政府にどういうふうに受け取ってもらいたいか。
吉川)
重くというかなんといいますか、やっぱり前回の9年前の退位特例法の時は、私は個人的なことになりますけど、議院運営委員会の筆頭理事として特別委員会の設置、こだわりました。ですので、今回も参議院では特別委員会の設置につながったんだろうと思います。
その時は本当に総意と言えるような環境でした。 陛下のおことばを受けて、こういう形でなってよかったねというような空気感がありました。ただ、その時は特例法だったんです。ただし、本則の附則に退位特例法と一体と成すものであるという書き加えることによって成立しています。
で、逆にその時は特例法であって、養子こそ特例法、もし出すのであれば、4者のとりまとめにも女性皇族の身分保持は、「皇室典範の改正で対応する」と書いてあります。けれども、養子のところは、「具体的な制度設計をする」としか書いてなくて、それこそ実は特例法で良かったのではないかと思われますし、実際、全体会議の中でも複数の会派からそのような意見も出ていました。
そういう中で一体として出されて、女性皇族の身分保持は最大公約数として、我々もこれは早くやるべきだと言ってきた。けれども、養子とセットで同じ改正法案で国会に提出された。
じゃあ致し方なく、それはやっぱり疑義があるのであれば、立法府の議員として、立法府に議席を今まだ預かっている党としては姿勢を示すべきではないかという思いで、4者のとりまとめ、正副議長に対しては本当に敬意を表します。
けれども、やっぱり誰も言わないのは良くないだろうという思いで、こういう案を用意させていただくこと自体、本当に忸怩たる思いですけれども、ただやっぱりそれはやらなきゃいけないということと合わせて、やっぱり運びは、本部長も全体会議の中で申し上げましたけど、衆議院に偏っていたということは私は事実としてあると思います。
主導は衆議院、そして衆議院の野党第一党は賛成、苦渋の決断で賛成に回られたかもしれませんけど、我々もまだ党として存在していて、参議院野党第一党です。
参議院側の野党第一党がこういう判断をしなければいけなくなったということに関しましては、政府の皆様におかれましても、ある程度やっぱり一定程度の意思を持って立案したとしか読めない条文があるんです。
それこそ第38条にかかるところですけれども。そういったところはもう少し配慮していただきたかったですし、これまでの全体会議っていうのは、衆参で、例えば今回はすべて衆議院の議長公邸で行われましたけど、過去振り返ってみますと、衆議院であったり、参議院であったりというような配慮もあったわけです。
今回は全然なかったもんですから、そこはやっぱり否めない側面はありますし、数の力で押し通して決めていいものでは私はないと思いますし、何て言うんですかね、数の確保、数の確保、数の確保と連呼されましたけど、国民に寄り添って苦楽をともにされてこられた象徴天皇としての皇室の皆様、今上陛下はじめとする皇族の皆様に対する議論がなかったことは、私はやっぱり、この前の衆議院議運委の議論もそうでしたけれども、そこはもっと議論されるべきことだったと思います。記者の皆様には配った資料が我々に配られていないものがあるので、そこはやっぱり政府に対してはいろいろ申し上げたいことはございます。
質問)
手続き的な関連で、委員会への提出ということで、修正案の提出のタイミングだが、これは特別委員会にという。
吉川)
はい、それはそうなります。修正案として委員会に提出をしますので、委員会に提出する修正案ということになります。そうなると採決される対象になりますので、そのような形をとって、ちゃんと記録に残る形でやらせていただきたいという思いで今進めております。ありがとうございました。
