議院運営委員会 2016年03月09日
人事官候補者所信
3月4日の議運理事会で国会同意人事案件として
提示があった8機関41名のうち、人事院の人事官に
ついては、議運委員会で所信を聴取し、質疑を行う
対象ポストとされています。
よって、議院運営委員会は、人事官候補者
(再任)から所信を聴取し、質疑を行いました。
私は議運の場では質疑を行いませんでしたが、
初当選以来、ほぼ所属し続けている総務委員会は、
2年前の5月末まで人事院に属する事項を所管して
いたこともあり、公務部門の人事政策には多大な
関心を持ち続けています。
国家公務員制度は、国の行政の円滑な運営を確保する
ための基盤となる重要な制度です。よって、公務員は
国民の行政に対する信頼を得るように、全体の奉仕者と
しての自覚を常に持ち、自らの専門性を高めながら、
セクショナリズムに陥ることなく行政を展開していく必要が
あると、人事官候補者は所信の中で表明されました。
その後の質疑の中で、興味深いやり取りが
ありましたので、少しだけ記しておきたいと思います。
来月から、フレックスタイム制度を導入することが
できるようになりますが、これに関連して、こんな
答弁が印象に残りました。
長年、公務の職場が全員そろって一斉に仕事をする
ことで公務は上手く回ると思って進んできたものの、
柔軟な働き方によってワーク・ライフ・バランスを進めるとか、
多様な人材を得られるとか、働き方についても変えていくのが
いいのではないか、との答弁がありました。
もちろん、これが馴染まない職場もあるとは思いますが、
働き方の多様化は進展してしかるべきだと考えています。
参議院は、国会対応がありますから難しい側面もあるとは
思いますが、運用できる部署においては、制度の導入を
進めて欲しい旨、1月の議運理事会で意見表明したところです。
また、今後の課題として、人員の年齢構成に関して言及が
ありました。40歳代以上の人が従前より大幅に増え、20代、
30代の人が従前より非常に少ない、ということです。今後、
行政の質が維持できるか否か、という大きな問題を抱えて
いることになりますので、しっかり注視していきたいと思います。
そして、今回特に印象が残ったのは、管理職の業務管理の
仕方と管理職に対する人事評価、二種・三種採用の幹部
登用の在り方についてです。
参議院においても、種別を問わず優秀な職員は大勢います。
私個人の詳細な思いは控えますが、人事官候補者が「各省が
上への道をつくっていけるように背中を押していきたい」と
答弁されたように、二種だから、三種だからこのポスト、では
なく、個々人の能力にあった柔軟な人事を望みたいと思います。
今回の人事官候補者は、人事院一筋で公務部門に
おける人事政策を真剣に考えてこられたということは、
短い所信質疑の中でも十分に伝わってくる方でした。
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