2010年3月9日国会質疑録
予算委員会 議事録3/7
○吉川沙織君
次に、また政策評価の違う観点からお伺いを
させていただければと思っています。先ほど引用
しました勧告は今年の1月22日に出されたもの
ですが、実は平成20年11月26日には、政策評価・
独立行政法人評価委員会より、政策評価の重要対象
分野の評価結果等について答申がなされております。
実は、その中の一つに若年者雇用対策が位置付けられて
おり、文部科学省、厚生労働省、経済産業省とそれぞれ
事業を持っていますので、横断的に評価がなされておりました。
その後の各省の取組について各省に御答弁いただければと
思っておりますが、まず文部科学大臣にお伺いいたします。
キャリア教育の効率を把握するための手法等をしっかり
やるようにという、そういう指摘がなされておりましたけれども、
その後の取組についてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(川端達夫君)
吉川委員にお答えいたします。
御指摘のように、平成20年11月26日の総務省の重点
政策評価、若年者雇用対策の中で、平成19年度に文部
科学省が実施しました若年者雇用対策に対して、総務省の
政策評価・独立行政法人の評価委員会から課題の指摘を
いただきました。
11モデル事業がありまして、今おっしゃった分含めて
いろんな事業、モデル事業をやらせていただきました。
その中で、指摘項目としては3つありまして、一つは、
その事業によって学力の向上、就業への結び付きなどの
効果があったのかどうかを見なさい、調べなさい、もう
一つは、事業をやった学校とやらなかった学校との比較
検証をしなさい、それから、長期定点観測調査の実施、
個人を着目してその人がそういうことをやったときに
どういうコースを歩んでいったのかを調べなさい、という
ことをやるべきではないかという指摘をいただきました。
そういう中で、今おっしゃいましたキャリア教育とか、
それから例えば大学等における社会人の学び直し
対策とか、そういうことがいろいろあります。
その中で、例えばで申し上げますと、大学等における
社会人の学び直し対策では、その学びに来た社会人が、
受講生ですね、の就職状況を調査をいたしまして、ニート、
フリーター対策として復学あるいは再就職等々がどういう
経過をたどっているのかというのを今調査をまとめている
ところでございます。
また、キャリア教育でお触れになりました高等学校の
キャリア教育とかあるいは目指せスペシャリストという
ことに関しては、それぞれの都道府県の教育委員会で
実施をいたしましたので、やった学校とやらなかった学校で、
何か今いろいろ指標をおっしゃいましたけど、そういう指標
等々で違いが出ているのかどうか、効果があったのかどうかを
しっかり検証しようということで今取り組んでおります。
なお、もう一点御指摘をいただいた長期定点観測と
いうのは、これ個人に着目して長く調べるというのは
なかなか技術的にも実務的にも困難でありますので、
どうしていくかはまだ未着手で検討中でありますが、
いろいろ事業をやっても、御指摘のように、本当に
効果が出ているのか、あるいはどういうことを、その後に
生かす政策になるのかということをしっかり検証するという
ことは大変大事だと思って、引き続きやってまいりたいと
思っています。
○吉川沙織君
次に、厚労省の山井政務官にお伺いします。
○大臣政務官(山井和則君)
吉川委員にお答え申し上げます。就職氷河期の
世代の代表として非常に重要な御質問をいただき、
ありがとうございます。
総務省からは、2つの点で指摘をされました。
一点目は、より多くのフリーター及び30代
後半層の方々への支援サービスの普及、職場
定着を促進する効果的な施策の見極め、二点目は、
より多くのニートの方々への支援サービスの普及等、
課題と指摘をいただきました。
それに対しまして、答申を受けて厚生労働省としては、
フリーター対策については、就職氷河期に正社員に
なれなかった方々が30代後半になっておられることを
踏まえまして、対象者の拡大として、20年度までは35歳
未満であったものを20年12月からは40歳未満というふうに、
残念ながら35歳を超えてもまだ正社員になれない方が
非常に多うございますので、範囲を拡大させていただきました。
また、ニート等の若者の自立支援についても、今申し上げました
ように、年齢層を40歳未満まで広げるとともに、アウトリーチの
強化ということで、高校中退者等に御自宅に訪問する能動的な
支援というものを充実しておりまして、20年度、地域若者サポート
ステーションによるモデル事業5か所を実施しておりましたのを、
21年度にはモデル事業20か所で実施して、22年度では高校
中退者等に対象を重点化して50か所で実施をいたしております。
そのほかにつきましても、雇用情勢を踏まえつつ、
必要な支援を提供できるように適切な事業評価に
基づく不断の見直しや改善に取り組んでまいりたいと思います。
○吉川沙織君
次に、経済産業省の高橋政務官、お願いします。
○大臣政務官(高橋千秋君)
御質問ありがとうございます。ジョブカフェについてだと
思うんですけれども、先ほど吉川委員がおっしゃったように、
ジョブ何とかというのがたくさんあるんですが、経済産業省の
関係ではジョブカフェになります。ここはいわゆるカウンセリング
から研修まで一貫してサービスをしておりまして、平成16年度
から18年度まで3年間モデル事業として実施をいたしました。
この間に15万8千人の方がこのジョブカフェを通じて
就職が実現したというふうに聞いているんですけれども、
その事業が終わった19年度におおむね大体10%ぐらい
就職の率が減ったというふうに報告がありました。
それで、20年の11月26日に先ほど御指摘があった
答申をいただきまして、この答申の内容は、本事業終了に
伴う影響について検証を行い、就職者数等が特に減少した
地域への支援の必要性について検討を求めるというそういう
答申だったんですけれども、確かにおおむね10%減少したん
ですが、中には、地域によっては30%ぐらい減少している、
地域差がかなりございます。
この検証を経済産業省としてもすぐに行いまして、
この必要性というのを、その地域による必要性も
ありますけれども、必要性を踏まえた取組を更に
強化するということで平成21年度から新たな事業
として実施をしております。
22年度につきましても、現下の雇用情勢大変厳しいので、
これを踏まえつつ、効果を検証しながら必要な強化策に
ついて引き続き支援を行っていきたいというふうに思っています。
○吉川沙織君
今、文部科学省、厚生労働省、経済産業省それぞれ、
若年者雇用対策事業を行っているそれぞれの省庁から
取組状況に関して御答弁いただいたわけですが、行政
評価を所管する省庁として、この評価結果が出て、その後
何らかの追跡調査を行っているのかどうか、総務副大臣に
お伺いします。
○副大臣(渡辺周君)
今、各省の大臣並びに政務官からもお話がございました。
今、これから実態を把握していく予定にしておりますが、
総務省では、この行政評価の機能を強化するチームと
いうのを立ち上げまして、とにかく今までは改善を勧告して
おしまいだと、そうじゃなくて今度は、どう改善をされたのか、
勧告がどう生きたのかということについても当然追跡を
これからしていきまして、できればもうマスコミを通じて世に
出すと。
それによって、やっぱり納税者の視点や、あるいは
社会通念上理解し難いことは許されないんだと、これは
やっぱり我々がやるだけではなくて世論にも訴えて、とにかく、
先ほどのような100万円を支給するのに115万円を掛けると、
このお金がもっと若年対策に向けられていたらもっと何人もの
人を職に就けることができたんじゃないかと、そういう思いで
これからも不断の追跡調査を行って、追跡も行っていきたいと、
そういう決意でございます。
○吉川沙織君
ありがとうございます。
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