2010年3月9日国会質疑録
予算委員会 議事録7/7
○吉川沙織君
それでは、財政的観点からお伺いいたします。
正社員になりたくともなれなかった就職氷河期世代を
中心とする若い世代は、本来であればできる消費が
できない、若しくは納められる税金が納められないなど、
社会全体の経済的損失が生じていると考えますが、国税
収入等に与える影響の試算についてあればお伺いいたします。
○国務大臣(菅直人君)
フリーター等によって正社員の皆さんよりも給与が低い
ために税収が下がっているということは十分予想される
ことなんでありますが、必ずしもフリーター等という定義が
定かでないということも含めて、実はこういう試算そのものは
行っていないのが現状です。
○吉川沙織君
平成16年、UFJ総研の試算によれば、平成13年
時点で経済的損失は約1兆2,100億円になるとの
試算もございますし、別の試算では、2030年時点で
6兆円の税収ロスという試算もございます。また、
私世代が65歳になったとき、生活保護試算が予算額
累計約19兆円となる結果も導き出されており、早急な
対策が必要であると考えます。
これはまた地方においても言えることだと思いますが、
地方税収入に関する試算はおありでしょうか。
○副大臣(渡辺周君)
先生からこういう質問が今日あるということで、役所の
方でも調べました。今、菅財務大臣が答えたように、
実はこの厚生労働白書におけるフリーターの定義と
いうものをベースにして探したんですが、実は年齢
階層別の統計というのが存在しないということで
ございまして、まさに個人住民税のどれぐらい減収に
なっているかということについてはないわけでございます。
唯一あるのが今委員が御指摘されたようなUFJ総研での
試算なんですけれども、ただ、これは御存じのとおり
三位一体改革の前に所得税三兆円が住民税に振り
替えられる前の数字ですので、正確な試算は実はない
というのが現状だと思います。
○吉川沙織君
財務省、総務省それぞれにおいて試算がないとのこと
でしたが、これから社会保障費も増大することになりますし、
税収においても大きな影響を与えることになりますので、
是非早急に、政権が交代したわけですから、今後与える
影響を加味した形で試算を行っていただければと思っています。
若年者雇用問題においては、私世代はまだ親御さんと
同居しておる、親御さんの下で生活をしているから、まだ
その問題が余り顕在化されていないというような状況も
あります。
ただ、この問題を放置し続けますと、今質問させて
いただいたように税収減にもつながりますし、年金は
今納めている世代が先輩方に届く仕組みですから、
その社会保障の根幹を揺るがしかねないということにも
なりますので、是非、企業に若者を一定程度強制的に
雇用してもらう仕組みですとか、あと優遇税制、これ
自見議員、先日御指摘なさっていましたけれども、
優遇税制を設けることで企業にインセンティブを
付与することは一考に値すると考えられます。
若年層における格差の拡大は、いずれ日本全体の格差を
拡大させることになります。何より若者が将来に希望や夢を
描けない社会は本当に絶望的でありますので、是非、厚生
労働大臣、リーダーシップを発揮して、政治主導で若い
世代が明日に夢や希望を持てる社会を現政権において
つくっていかなければならないということを申し上げまして、
私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。