2011年3月7日国会質疑録
予算委員会
質疑模様、野田財務大臣答弁
菅総理答弁、質疑模様
質疑模様、枝野官房長官答弁
3月7日の予算委員会では、約1時間をいただき、平成23年度政府予算案
に対し、総理以下、全閣僚出席でNHKテレビ中継が入る基本的質疑に立ちました。
●主な質疑内容
平成23年度予算案において、総理以下、
下記の10大臣に対して質疑を行いました。
(内閣総理大臣、国家戦略担当大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、
財務大臣、総務大臣、行政刷新担当大臣、内閣官房長官、社会保障・税一体改革担当大臣)
国会初質問の厚生労働委員会、予算・決算委員会でも取り上げ
続け、2008年には内定取り消し規制法案を参議院から発議者と
して議員立法で提出、参院で可決するなど、私自身が強い
こだわりを持っている若年者雇用問題について、質疑を行いました。
(1)「体感不安」解消のための予算案・関連法案であることの説明
1-1.平成23年度予算案・関連法案成立により解消できる課題と今後の見通し [内閣総理大臣]
1-2.歳出面における所得再分配機能の回復 [国家戦略担当大臣]
(2)若年者雇用問題に対する取り組み
2-1.既卒者支援の必要性 [厚生労働大臣]
(3)省庁間連携の在り方
3-1.現在の新卒者対策 [厚生労働大臣、経済産業大臣]
3-2.省庁間連携の必要性 [内閣官房長官]
(4)政策評価の在り方
4-1.総務省行政評価局「雇用保険二事業に関する行政評価・監視」追跡 [総務大臣]
4-2.平成22年3月総務省行政評価局「政策評価の点検結果」に対する進捗状況[内閣府特命担当相]
4-3.政策評価の実効性を高めるための連携と方策 [行政刷新担当大臣]
(5)若年者雇用対策事業の在り方
5-1.ジョブ・カードの活用に関する統計の有無 [厚生労働大臣政務官]
5-2.ジョブサポーターの募集要件と質の確保 [厚生労働大臣政務官]
(6)統計の在り方
6-1.現在の内定率の在り方 [厚生労働大臣]
6-2.実態を踏まえた統計の在り方に関する認識 [厚生労働大臣、文部科学大臣]
6-3.政策評価の実効性を高めるための連携と方策 [内閣総理大臣]
(7)若年者と年金、社会保障教育等の必要性
7-1.学生納付特例事務法人等の活用状況 [厚生労働大臣]
7-2.社会保障教育等の必要性 [文部科学大臣、社会保障・税一体改革担当相]
(8)就職活動の早期化・長期化に対する見解
8-1.要請等に留まらない是正に向けた施策の必要性 [内閣総理大臣]
(9)若年者雇用問題が国税・地方税収入等に与える影響
9-1.若年者雇用問題が国税・地方税収入に与える影響 [財務大臣、総務大臣]
9-2.若年者雇用問題が経済全体に与える影響 [内閣総理大臣]
●概略
(1)について
ここ10年ほど、統計的には凶悪犯罪の件数は減少しているものの、
国民が日々の生活で治安の良しあしに漠然と感じる「体感治安」は
悪化していると言われています。これと同じように、ここ10年程度の
社会経済状況において、国民は「体感不安」を感じていると考え、格差
失業問題等、その要因をパネルで示しました。
これら諸問題に対して、国が財政面から対応するのが予算案であり、
それを裏付けるものが予算関連法案です。「体感不安」解消のための
施策を平成23年度予算案に組み込んでいるのか、中長期的施策に
ついては、どのような対応をとるのかについて総理の認識を問いました。
(2)について
総理の施政方針演説では新卒者雇用に力を注いでいるように見える
が、10年前の就職氷河期世代をはじめとする既卒者に対する支援も
忘れてはならない重要な課題です。しかしながら、この支援策について
の予算案が前年度比大幅減となっていることから、既卒者支援に対する
考え方を厚生労働大臣に問いました。
(3)について
若年者雇用対策事業については、厚労省、経産省、文科省、
内閣府において展開されており、野党時代から省庁内、省庁間の
事業重複を問題視してきました。事業の重複による無駄が生じて
いるならこれを是正し、その分を施策に使った方が良いためです。
具体的に類似事業名を指摘し、効果的に事業を打つ必要性に
ついて内閣官房長官等に認識を問いました。
(4)について
政策評価を通じて、総務省行政評価局が施策の実効性を高める
ための指摘等を各省に行い、施策を本当に必要とする若年層に
届くよう取り組みが続けられていますが、実効性を高めるため、総務省と
行政刷新会議の連携が考えられることから、政府の見解を質しました。
(5)について
若年者雇用対策の個別事業について、厚労省の把握状況を問いました。
(6)について
統計の取り方は施策を実行する上で、非常に重要な判断基準となる
ことから、大学生の就職内定率の調査方法等について見解を質しました。
実態を踏まえた統計の必要性、実態に即したデータを公表する必要性
など、具体例・数値を示しながら総理の見解を質しました。
(7)について
学生納付特例制度を学生が利用しやすいものにするため、2008年から
指定を受けた大学等が申請を代行出来る制度が始まっていますが、その
活用状況について確認し、非常に少ない現状が明らかになるとともに、
若年層に対して学校教育段階から体系的に社会保障制度について行う
重要性について指摘しました。
(8)について
就職活動の早期化・長期化問題に関し、自身の経験も踏まえながら、
政府としてこの問題の是正に向けた後押しをするための施策の必要性
について総理の見解を問いました。
(9)について
就職氷河期世代を中心とする若い世代が正社員になれなかったこと
による経済的損失に関して、国税・地方税収入に与える影響について
財務・総務大臣に認識を改めて問うとともに、この問題が若年層のみ
ならず全ての世代に影響し、日本経済全体に与える影響について総理
の認識を質しました。