2011年3月7日国会質疑録
予算委員会 議事録1/10
○吉川沙織君
民主党の吉川沙織でございます。
今日はどうぞよろしくお願いいたします。
最初に、平成23年度予算案の全体像について
お伺いしたいと思います。
ここ10年ほど、犯罪の件数自体は統計的には
減っておりますが、国民の皆様が日々の生活で
治安の善しあしに関して漠然と感じられる体感
治安は残念ながら悪化をしているとされています。
これと同じように、ここ10年程度の社会経済
状況に関して、国民の皆様は体感不安を感じて
おられるのではないかと思います。
パネルにしてみました。(資料提示)
その体感不安として考えられる要因の一つとして、
所得格差の拡大、それから若年層を中心とした
失業率の高止まり、少子高齢社会の進行、そして
セーフティーネットの破れ、そしてまた地域経済の
崩壊や地域社会の閉塞感が挙げられるのでは
ないかと思います。
例えば、失業問題においては、2000年前後、
失業者を129万人も増加させる雇用調整が
行われております。中でも、未来ある多くの
若者が失業という憂き目に遭ってしまいました。
例えば、私が会社員として社会に出ましたのは
1999年のことでございますが、その年の完全
失業者数は約300万人、うち若年失業者が
その半分の150万人を残念ながら占めている
というような状況にあります。
また、地域経済の崩壊や地域社会の閉塞感に
関しては、細かく申し上げるまでもなく、それぞれ
の地域社会に生活をされる住民の皆様が肌で
感じておられるものであり、少子高齢社会の進行に
関しても待ったなしの状況という形になっています。
これらの諸問題に対して国が財政面から対応
するのが予算案であり、それを裏付けるものが
予算関連法案であると考えます。
ところが、個別政策については、政府から説明が
あったり、逆に批判的意見が出されたりするものの、
今国民の皆様が漠然と感じておられる体感不安を
パッケージとして解消するための予算案及び予算
関連法案の全体的な説明は聞こえてこないように
感じています。
そこで、今挙げた体感不安を解消すべく、政府は
どのような施策を平成23年度予算案に組み込んでいるのか。
また、23年度で対応できないものは、平成24年度以降、
中長期的施策としてどのような施策を考えているのか、
国民の皆様に分かりやすいよう、総理、御説明をお願い
いたします。
○内閣総理大臣(菅直人君)
体感不安という形で今日の状況を指摘をいただきました。
御指摘のように、ある時期から若年層を含めた失業、
さらには非正規雇用、さらには少子高齢化、あるいは
地域の崩壊等、多くの意味で従来と社会構造が変化
する中で不安感が高まっているということは、私も
そのように感じております。
そういった意味で、私は政権を担当するようになって
以来、いろいろな課題がある中で、雇用というものが
一つのいろいろな影響を含めて中心的な課題の大きな
一つであろうということで雇用、雇用、雇用と唱えて
まいりました。
それを来年度の予算の中でも、雇用と成長ということを
中心にして予算案を編成をしたつもりであります。
そういった中で、更に申し上げますと、来年度予算の
個々の項目にいろいろと盛り込んであることは御承知
だと思いますが、さらにその将来の在り方ということで、
現在、社会保障の改革というものの中に、医療、介護、
年金といった高齢者が中心の問題だけでなく、子育て
支援あるいは求職者支援といった雇用や若者に関する
ものも含めた全世代に関しての社会保障の在り方の
検討に現在入っているところであります。
そういった意味で、短期的には経済が多少持ち直して
きてはおりますけれども、今御指摘のありました体感
不安ということを解消するにはもっと中長期的な展望も
含めて安心できる社会にしていく、そのための来年度の
予算にそれを盛り込んでいると同時に、それ以降に
ついても検討を推し進めなければならない、こう考えて
おります。
○委員長(前田武志君)
答弁側にちょっと要請をいたしますが、持ち時間が
非常に少なくなっておりますので、答弁は的確に簡略に
お願いいたします。
○吉川沙織君
今、菅総理の方から、雇用と成長そして社会保障は
全世代にわたる課題で、短期的施策とそして中長期的
施策にわたる課題に対応していく旨の御答弁がございました。
さて、今回の税制改正で所得再分配機能の回復は
一定程度図られることになります。一方、税制で
高所得者のみに負担を求めるだけでは所得再分配
機能は十分に発揮されないのではないかと思います。
そこで、歳出面における所得再分配機能の回復が
大事になるかと思いますが、この点に関してどのように
お考えなのか、国家戦略担当大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(玄葉光一郎君)
今の吉川さんの御質問は、歳入面はやったけど
歳出面きちっと所得再分配機能を強化している
のかと、こういうお話だというふうに思います。
一言で言えば総理の答弁に尽きていると、つまり、
雇用、雇用、雇用ということで今回の予算案を作って
いるところが一つはあります。それと、先ほどもこれも
触れられておりましたけれども、失業給付が切れる、
そういった方々に対して職業訓練を前提に生活支援を
すると。
月10万の生活支援ですから、これは大変大きい、
いわゆる第二のセーフティーネットと言っても差し
支えないだろうというふうに思いますし、またジョブ
サポーター倍増したりして新卒者に対する支援を
行っている。
なかなかこれまで十分に光が当てられなかった自殺
対策、あるいは先ほどちょっと触れましたけど、一川
先生のときに、離島対策とか、様々そういったところに
までできる限りの目くばせをさせていただいて、そういった
体感不安とか、所得再分配機能の強化とか、そういった
こともさせていただいたところでございます。
○吉川沙織君
今、雇用、雇用、雇用と答弁がございましたし、
国家戦略担当大臣の方からも同じような旨の
答弁がございました。今月は自殺対策強化月間
でございます。蓮舫大臣には是非リーダーシップを
取って、1人でも命を絶つことがないような、そういう
取組を前に推し進めていただきたいと思います。
続きの議事録(2/10)は、こちらです。
約1時間の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。