第176臨時国会/総務委員会議事録(2010年11月11日)
奄美豪雨に対する激甚災害指定の目途、避難勧告の発令基準等の在り方
○吉川沙織君
民主党の吉川沙織です。
今日はどうぞよろしくお願いいたします。
先月、10月終わりに、奄美地方において
集中豪雨被害に関する災害がございました。
今日は、その被害に遭われた方にお見舞いを
申し上げますとともに、命を守る政治という観点に
立って質問をさせていただきたいと存じます。
先日、民主党の奄美豪雨災害対策本部の一員
として、加賀谷議員と同僚議員、計7名で現地の
視察に行ってまいりました。
東副大臣におかれましても、発生直後の10月23日に
現地入りされたと伺っておりますので、現地の状況に
ついては御存じかと思いますが、実際に現場をこの目で
見ることで、台風等の頻繁な通過がある奄美地方においても、
比較的雨には慣れている地方においても、想定をはるかに
超える豪雨災害であったということを実感いたしました。
また、各所において、規模を問わず、道路等の崩落が
至るところで発生しており、物資や救急搬送の側面、
また日常生活という側面から、被災地における1日も
早い復旧のためには一刻も早い激甚災害の指定が
要請されるところであり、指定されるものと信じており
ますが、その時期の目途についてお伺いいたします。
○副大臣(東祥三君)
吉川議員にお答え申し上げます。
結論から申し上げさせていただきますと、激甚災害
指定については、まだ全貌を把握しておりません。
被害状況等の把握がかなり進んできているところで
ありますけれども、速やかに結論を得るべく、被害
状況の精査等を急ぐこととしておる次第です。
ただ、吉川委員御案内のとおり、激甚災害制度には、
全国レベルでの激甚災害に対応する本激制度と
局地的な災害に対応する局激制度、言葉が非常に
激しいですけれども、そういうものがあると。
今回の奄美大島の災害は、被害状況の精査中であり、
まだ最終的なことは申し上げられない段階ですけれども、
局地的な災害に対応する局激に該当する可能性が
あると思っております。被害状況等の精査を速やかに
進めてまいりたいと思っております。
○吉川沙織君
できるだけ早い指定をお願いしたいんですけれども、
最近の災害発生時期から激甚災害の公表、指定を
受けるまで幾つかの期間を調べてみました。
そうしましたら、大体早いもので1か月、遅かったら
もう少し時間が掛かっているようなんですけれども、
奄美地方は御存じのとおり離島でございます。
そういった面もありますし、本当に、東副大臣も
その目で御覧いただいておりますし、是非一日も
早い指定をしていただいて、そして奄美の方で
復旧に努めていただければと思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
そしてまた、災害については様々な種類がございます。
命を守る情報伝達の在り方、消防防災行政の在り方に
ついては、私自身、これまでこの総務委員会を始めとして
災害特や決算等でも質問に立ってまいりました。
特に、私自身は、全国瞬時警報システム、Jアラートや
防災行政無線整備の在り方、また少ない予算ではある
んですけれども、消防予算の在り方について質問をして
まいりましたが、今回は奄美の災害の教訓を今後に
生かしていくという観点から、風水害対策の在り方に
ついて質問をさせていただきたいと思います。
2004年は台風や集中豪雨によって全国各地で様々な
被害がもたらされました。この一連の風水害の経験を
踏まえて、円滑な避難勧告等の発令の判断に資するよう
2005年7月に避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成
ガイドラインというものが取りまとめられています。
これを受け、同ガイドラインを踏まえた避難勧告等の
判断基準伝達マニュアルの作成推進や地域防災計画
への反映が要請されているところです。
総務省消防庁では、全国の市区町村における避難
勧告等の具体的な発令基準の策定状況について、
今年1月28日に避難勧告等に係る具体的な発令
基準の策定状況調査結果というものを公表されています。
このうち、水害発生時における避難勧告等の具体的な
発令基準について、2009年11月1日現在では、全団体
のうち46.0%が策定済み、40.6%が策定中というような
状況にあります。もちろん、前年と比較するとポイント数は
増えているんですけれども、全体からすると策定されている
のは半数に満たない状況です。
また、策定中としているような団体でも、いつまでに
策定できるかどうかは分からないような現状にあります。
今回甚大な豪雨被害に遭った奄美市においても、
水害発生時における避難勧告等の具体的な発令
基準は策定中でありました。奄美市は、雨量なども
考慮した明確な判断基準があれば避難勧告や指示を
もっと早く出せたかもしれないとしています。
ここ数年の豪雨災害を見ても、記録的な豪雨という
フレーズが珍しくなくなっています。このような状況から、
一刻も早い避難勧告等の発令基準、策定をされるべき
だと思いますし、専門的な見地から国がもっと援助、
助言をして策定を推進すべきだと考えますが、見解を
お伺いいたします。
○国務大臣(片山善博君)
議員がおっしゃったとおりだと思います。
市町村が本当に自分の問題として、自分の地域の
問題として基準を策定することが必要だと思います。
ただ、その際に、市町村の規模の問題なんかもあり
ますから、それに対して国でありますとか都道府県の
支援が必要だろうと思います。
特に気象台でありますとか、そういう専門的な
知見でありますとか資料、データを持った国の
機関の対応が必要だと思います。また、
都道府県も、それぞれの県内の市町村に
対してきめ細かい指導が必要だろうと思います。
ただ、私の経験によりますと、往々にして国や県から
指導がありますと、それをうのみにしてそのまま作って
しまうということがありますけれども、これは私はかえって
良くないと思います。是非、そういう国や県の指導などを
参考にしながら、是非自分の問題として、自分の地域の
問題として真剣に考えて作られるということ、これを是非
望みたいと思います。
○吉川沙織君
今大臣の方から、指導があればそれをうのみにして
作ってしまうというお話ございましたけれども、消防庁が
公表した調査結果の中には、具体的な発令基準を策定
できていないという理由の中に、策定方法が分からない
という理由が約2割程度存在しているという調査結果が
ございます。
ですから、国が指導基準を出すとうのみにするという
のも確かにそれはごもっともだと思うんですけれども、
そもそもそれが分からないというので策定できていない
というのであれば、やはりある程度の助言というものは
やっぱり必要なのかなと思うんですけれども、それに
ついていかがでしょうか。
○国務大臣(片山善博君)
それはそのとおりです。
私がさっき申し上げたのは、国が何にもしないじゃなくて、
国も指導とか支援しますけれども、だけども決してそれを
うのみにしないで、その際も自分で、自分の問題として
考えていただきたいということであります。
○吉川沙織君
よく分かりました。
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