総務委員会 議事録(2011年5月17日)
○吉川沙織君
民主党の吉川沙織です。
どうぞよろしくお願いいたします。
今般の東日本大震災の対応において、
消防機関の果たしている役割の重要性、
改めて認識をされました。この消防体制を
整備するのは一義的には自治体の役割
ではあると思います。
しかし、それは、国が消防行政に責任を
負わなくてよいということでは決してございません。
むしろ、この大震災を契機として、国を挙げて
国民の生命の安心、安全を守るため、国の
消防行政の在り方について真正面から向き合う
必要があることが再確認されたと言えるのでは
ないかと思っています。
野党時代から一貫して機会あるごとに消防予算や
体制の充実、在り方、課題について質疑を行って
まいりましたが、今回もこれらの観点から質問させて
いただきたいと思います。
5月6日、消防庁長官名で各都道府県知事に対して
「地域防災計画等に基づく防災体制の緊急点検の
実施について」という通知が発出されています。
今回の東日本大震災による災害の特徴として
津波による被害が甚大であることなどを挙げた上で、
各自治体に防災体制の緊急点検を求めるものです。
この緊急点検を行う際の留意点の中に、津波に関する
避難指示等の住民への伝達体制についてという項目が
あり、この項目では、基準の速やかな策定、作成している
場合はその見直し、そして住民への迅速かつ確実な伝達
といったことを留意点としています。
しかし、この点に関しましては、昨年11月11日の
当委員会でも質問させていただきましたが、策定
方法が分からないから策定しないという団体もまだ
残されているという実態がございます。
国としては既にガイドラインを作成してそれを
周知しているからそれで十分だという考えかも
しれませんが、いま一度大臣のお考えを聞かせて
ください。
○国務大臣(片山善博君)
消防行政に関する基本的な仕分といいますか
仕組みのお話がありましたが、私は、基本的には、
住民の皆さんに最も大切で最も必要な防災、
その中心に消防がありますけれども、これは
やはり市町村が担うのが適当だと思いますし、
今そうなっております。
市町村が住民の皆さんの安全のことを考えて
常日ごろ消防体制、防災体制をしいていただきたい。
それを国は支援をする、応援をするということが
基本になります。
その支援の仕方としては、財政の支援もありますし、
それから知識、他の自治体の経験などを伝達すると
いうこともありますし、助言もあります。これが基本
だろうと思います。別途、最近では国が主体性を
持って、例えば緊急消防援助隊の編成であります
とか国際消防援助隊など、こういうこともやって
おりますが、基本的には市町村だと思います。
そういう上で、例えば津波のおそれがある場合の
避難勧告等の発令基準などについて今どうなって
いるのかといいますと、全国の市区町村でまだ3割
以上のところが策定していないということもありまして、
こういうのは是非市町村が主体的に取り組んで
いただきたいと思うんです。
こういうのを作ってくださいと言うのは簡単なんで
すけれども、それをそのまま真に受けて引き写した
のではほとんどその実効性がないものができ上がって
しまいますから、是非主体的に自分の問題として
取り組んでいただきたい。その際に、問題意識を
持って、例えば分からないとか、そういうことが
ありましたら当然県や国が助言をいたしますけれども、
まずは第一義的には市町村が問題意識を持って
いただくことが肝心だろうと思います。
○吉川沙織君
去年の答弁とほとんど同じでございましたけれども、
もちろん第一義的には自治体がやるべき仕事だと
思います。
でも、今回の大震災のこの大きな津波被害を
受けて、国としてもう一歩踏み込んだ助言や
支援、そして積極的な取組を促すことは国として
もっとやるべきことではないかと思いましたので、
再度質問させていただきました。
そして、今申し上げた消防庁通知では、避難
指示等が確実に住民に伝わるようにすることが
指摘されています。
去る12日、本委員会の委員派遣で女川町長から
お聞きした中で、避難訓練を実施しても学校関係者
以外の住民の参加はほとんど得られないというような
お話がございました。最終的には避難に対する
住民の意識の問題になるかもしれませんが、
常日ごろから意識を啓発して、実際に訓練を
行っておくことが大事なことではないかと思います。
これは先ほど大臣からも御答弁いただきました
ように、住民に最も身近な基礎自治体が取り組む
べき課題ではありますが、国としても、例えば政府
広報等でもっと避難に関する啓発を促進するですとか、
また自治体が行う避難訓練について特別交付税等で
財政措置をするといったことも新たに検討してもいい
のではないかと思いますが、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山善博君)
避難訓練というのは本当に重要だと思います。
私も自治体の長をやっておりまして、実際に
いろんな訓練をやっていたかそうでないかに
よって随分いざというときに初動対応が違うと
いうことを自分でも経験しておりまして、本当に
避難訓練を含めた訓練というのは重要だと思います。
それは本当に自分の問題として、人から頼まれた
とかお金もらえるからとかじゃなくて、本当に自分の
問題として、住民の皆さんのために自治体が私は
取り組むべきだと思います。そのための基礎的な
財源というのは既にもう普通交付税の基準財政
需要額の中に反映されているはずでありますので、
財源的には私は問題ないと思います。
特別交付税が対象になってもらえるからやります、
対象にならないんならやりませんという、そういう
姿勢では、私はこの種の問題というのは自治体の
姿勢としては良くないと考えております。
ちょっと冷たいですけれども、一番肝心なのは
やはり自治体の問題意識だと思うものですから、
こういうことをあえて申し上げている次第であります。
○吉川沙織君
確かに、大臣がおっしゃいますとおり、自治体の
意識の問題ではあると思います。しかしながら、
特に今回の東日本大震災では東北の沿岸部、
特に財政力の弱い自治体が甚大な被害を被って
いるような状況にもありますし、この日本国は
震災の国でもありますから、どこでどんな震災が
起きるかも分かりません。
そんなときに、やっぱり避難に対する啓発、
自治体がやるにしても国が何らかの形で
後押しというものは、今財政状況が厳しい中、
国としてもやれることはやった方がいいのでは
ないかと思います。
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