委員派遣(地方公聴会)
○国会法第103条
各議院は、議案その他の審査若しくは国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる。
現在、参議院で審議中の安保法案に関し、今月8日に参考人質疑が行われることが決定しました。
前回紹介した公聴会同様、参考人質疑も特に重要な法律案では、採決に向けた環境整備のひとつとされています。
充実審議を求める野党側は、衆議院で行われた、「地方公聴会」と「中央公聴会」の開催を求めています。
衆議院で安保法案が審議された際、「地方参考人会」と議会に身を置く私にとって、初めて耳にする用語が出てきました。
これは、国会内では一般的に「地方公聴会」と呼んでおり、なぜ、「地方参考人会」と言い換えたのか、不思議でなりませんでした。
理由のひとつとして、参考人質疑や地方公聴会・中央公聴会を開催することは、採決に向けた環境整備に繋がるため、開催時期等が、与野党の駆け引きの材料となることがあげられます。
というわけで、衆議院では、採決が迫ってくる印象を与えないがために、「地方公聴会」ではなく、「地方参考人会」と呼んだのです。
しかし、国会法規上は、地方公聴会、地方参考人会とも、国会法第103条が定める「委員派遣」なのです。
審査中の議案について、関係者等の意見聴取のための「委員派遣」は、特に重要な法律案、予算又は条約について時々行われています。これを国会内では一般的に「地方公聴会」と呼んでいますが、正式名称ではありません。
その証として、衆議院の安保法案審議の際に沖縄・埼玉で行われた「地方参考人会」の会議録は、下記の題名となっています。
○平成27年7月8日衆議院特別委員会議録に掲載
「派遣委員の沖縄県における意見聴取に関する記録」
「派遣委員の埼玉県における意見聴取に関する記録」
委員派遣に関しては、機会があれば、他にも色々書いてみたいと思います。
