吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

本会議の定足数

2016年1月5日

○日本国憲法第56条

両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。(以下略)

○参議院規則第83条

議事開始の時刻に至つたときは、議長は、議長席に着き、諸般の事項を報告した後、会議を開く旨を宣告する。(以下略)
※衆議院規則第104条に同規定があります。

平成28年1月4日に、第190回国会は召集されました。

前回のエントリーでも紹介しましたが、召集日には、衆参で本会議が2回ずつ開かれました。

1回目は、院の構成を決めるための短時間の本会議でしたが、参議院本会議で、こんな光景が見られました。少なくとも、私は初めて目にした光景でした。

時系列で、4枚の写真を紹介します。すべて、参議院インターネット中継画面からキャプチャしたものです。


直前の議院運営委員会で本鈴10時と決まったため、定刻に議長が参議院議場に入場

議長が議長席まで到達したものの、最大会派の議員が議場に入っておらず、定足数に満たないため、議長は起立姿勢で待機

最大会派の議員がようやく議場内に入場し、議長が議場に対して一礼

議長が、議長席に着き、ギャベルを叩いて、ようやく会議に至る(10時2分)

議長は定められた10時に議場に入場したものの、100名を超える最大会派の議員が議場に入っていなかったため、出席議員が定足数に達しておらず、会議を開く旨を宣告する状況にないと判断され、起立姿勢で待機したものと考えられます。

ちなみに、最終的に本鈴を10時と宣言したのは議院運営委員長で、最大会派出身です。

というわけで、今回は、日本国憲法に定められた本会議の定足数を紹介しました。

参考までに、上記に関連する参議院の先例を下記に記しておきたいと思います。

○参議院先例録226
開議前の諸般の事項の報告は、省略するのを例とする

○参議院先例録233
出席議員が定足数を欠くときは、議長は、休憩又は延会を宣言する

会議を開くに当たり、出席議員が定足数(法定議員数の3分の1)に達しないときは、会議を開くことができないので、議長は、延会を宣言する。(以下略)