請願権とは-その2
○国会法第79条
各議院に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない。
○国会法第82条
各議院は、各別に請願を受け互に干預しない。
議院に対する請願は、議院における請願の受理は審査の可能な期間に限られているため、請願のできる期間は会期の初日から会期の終了日の約1週間前までとなっています。また、国会法第82条の規定により、両議院に請願することが可能です。
○参議院規則第165条(衆議院規則第174条、第175条)
議長は、請願文書表を作り印刷して、毎週一回、これを各議員に配布する。
請願文書表には、請願の趣旨、請願者の住所氏名、紹介議員の氏名及び受理の年月日を記載する。
○参議院規則第166条(衆議院規則第176条)
請願は、請願文書表の配布と同時に、議長が、これを適当の委員会に付託する。
請願文書表
議院に請願が受理されると、議長は請願文書表を作成し、議員に配布し、適当な委員会に付託します。そして、委員会における審査は会期末にまとめて行われるのが例となっています。
委員会では、請願について、採択すべきか否かについての議決を行い、採択すべきものとしたものについては、内閣に送付する必要があるか否かを議決することになっていますが、理事会で協議をしたうえで、手続きを省略して議決することがほとんどです。
手続きとは、紹介議員等から趣旨説明を聴くこと、さらに政府の意見を聴くことですが、最近の請願処理において、このような手続きを行っている委員会を、私は知りません。
ただ、委員会の審査の結果は、衆参議院規則に基づき、議院に報告しなければならず、本会議においては、請願が委員会の決定のとおり採択するか否かについて採決されます。
本会議において請願が採択されると、内閣において措置すると適当と認めたものは内閣に送付され、送付を受けた内閣は、その処理の経過を毎年議院に報告しなけらばならないとされています。
請願権は、日本国憲法第16条に規定された国民の権利のひとつですが、国会への請願は、会期末にまとめてその扱いが決められるのが慣例となっているのが現状です。
国会に対する請願に関しては、その扱いを含め、議論の余地が大いにあるものと強く感じているところです。
