吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

みなし否決と再議決

2015年8月19日

お盆明けの国会審議は、「お盆期間の国会審議(続報)」にて報告のとおり、8月18日から再開されました。

この間、衆議院から参議院に送付されて60日間を経過した与野党対決法案がありました。その法案とは、労働者派遣法等の一部を改正する法律案です。

これまで、本ブログでは、日本国憲法第59条4項(いわゆる60日ルール)を引用しながら、「みなし否決とは何ぞや」ということ、そして、「みなし否決の方法」について紹介してきました。

労働者派遣法等の一部を改正する法律案は、8月17日に、衆議院から参議院に送付されて60日を迎えました。

ちなみに、本法律案の衆議院における総審議時間は、31時間18分。参議院での8月17日時点での審議時間は、14時間40分。審議時間から見れば、まだまだ審議途上にあるといえると思います。

60日ルールを使い、みなし否決を行使するということは、参議院の議論を無視し、参議院の存在意義そのものを否定することに繋がりかねませんから、行うべきでないというのが、議会人たる私のスタンスです。

労働者派遣法案においても、安保法案においても、よもや60日ルールを使うことはないと思っているのですが、過去に事例があるのもまた事実です。

ただ、みなし否決を行い、さらに衆議院の3分の2以上の多数で再議決を行った例は、長い歴史の中、過去3回しかありません。

昭和27年7月30日 第13回国会 衆議院本会議(61日目でみなし否決・再議決) 

国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案

平成20年4月30日 第169回国会 衆議院本会議(62日目でみなし否決・再議決) 

地方税法等の一部を改正する法律案
地方法人特別税等に関する暫定措置法案
地方交付税法等の一部を改正する法律案
平成20年度における公債の発行の特例に関する法律案
所得税法等の一部を改正する法律案

平成25年6月24日 第183回国会 衆議院本会議(63日目でみなし否決・再議決)

衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案