吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

参議院における議員辞職勧告決議

2016年2月20日

○参議院規則第26条

発議者又は提出者が発議又は提出した議案について委員会の審査の省略を要求しようとするときは、その議案の発議、提出又は送付と同時に書面でその旨を議長に申し出なければならない。

前項の要求があつたときは、議長は、これを議院に諮らなければならない。

○参議院先例録271

決議案は、委員会審査省略要求書を付して発議するのを例とする

前回は、衆議院における議員辞職勧告決議について概観しました。

今回は、参議院における議員辞職勧告決議案について見てみたいと思います。参議院においては、衆議院のように議員辞職勧告決議を行っていません。

そもそも、参議院本会議で扱ったこと自体、3回しかないのです。「議員○○○○君の議員辞職勧告に関する決議案」は、委員会審査省略要求事件として扱われますが、直近の例でみても、平成9年まで遡ります。

[参議院本会議で議員辞職勧告決議が議事となった例]

平成9年4月4日 議員辞職勧告決議-可決
昭和41年2月2日 議員辞職勧告決議-否決
昭和40年8月11日 委員会審査は省略しないことを決定

議員辞職勧告決議案は「決議」ですので、先例に従い、委員会審査省略要求書を付して発議することとなりますが、そのタイミングは、議院規則に従い、決議案の提出と同時に、委員会審査を省略する要求を書面で議長に申し出なければならないこととなっています。

要するに「決議」であるため、委員会審査を省略し、院の会議である本会議で扱うべきとのことであり、委員会審査省略の要求があったときは、議長は本会議でその賛否を諮ることになります。

昭和40年の例は、議員辞職勧告決議案が議事にはなったものの、委員会審査省略要求が否決された結果、実質的に扱われなかった例となっています。