国会のシンボル議事堂中央塔-その1
平成15年9月3日夕刻、激しい雷雨が都心を襲い、国会議事堂の尖塔にも落雷し、その一部が破損しました。衝撃的な映像でしたので、記憶にある方も多いのではないでしょうか。
さて、その議事堂中央塔ですが、衆議院・参議院の中間地点に位置する国会のシンボルともいえる建造物です。
そこで、今回は、落雷に際し議事堂中央塔の補修に要した経費と、議事堂中央塔が衆参どちらの所管なのかについて紹介したいと思います。
まず、落雷による破損の修復等に要した費用は、合計で約5,400万円です。その内訳は、石材の修復に約3,500万円。避雷施設の補修、増強に約1,900万円となっています。
衆参の経費の負担としては、議事堂中央塔部分については、施設管理が参議院となっている関係で、修繕経費については、すべて参議院側の負担となりました。
修繕経費については、予備費の使用も検討されましたが、議事堂中央塔は国会のシンボルたる施設でもあり、早急に修復を行う必要があるとの判断から、予備費の使用のために必要な手続きを待つことなく、既定経費のやりくりで対応しています。
というわけで、議事堂中央塔部分は、参議院所管です。
では、なぜ参議院の所管なのでしょうか。
国会議事堂は、昭和11年に竣工しました。昭和11年10月20日、建築を担当した大蔵省営繕管財局より、当時の貴族院及び衆議院が引き渡しを受けたという記録は残っています。
ただ、その際、貴族院への国有財産目録の写しには、塔屋の8階及び展望階との記述がありますが、その他の管理区分については記録が残っていないのです。
こうした経緯もあり、参議院の発足に伴い新たに整理した参議院の国有財産台帳では、2階の中央車寄せ、中央広間、大臣室等、3階の御休所、皇族室等及び5階以上の中央塔部分は参議院側の管理となりました。
一部では都市伝説と言われることもある8階以上の議事堂中央塔部分について、いつか紹介したいと思います。

