吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

参院選挙制度改革-その5(最終回)

2015年7月31日

○日本国憲法第42条

国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

○日本国憲法第43条

両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。(以下略)

「参院選挙制度改革-その1~その4」までは、国会ルールの紹介のみでしたが、今回は、少し違う観点から、今般の制度改革を眺めてみたいと思います。

今回の参院選挙制度改革では、一票の格差に焦点が当たった感は否めませんが、本来同時に議論されるべきは、日本国憲法が定める二院制の中で、参議院の将来像をどう考えるか、またその果たす役割であったはずです。

平成12年4月26日、参議院議長の私的諮問機関「参議院の将来像を考える有識者懇談会」は、意見書を参議院議長に提出しています。

この意見書の原則的な考え方は、「良識の府」としての機能を活性化させ、「再考の府」としての機能を明確化させること、個人の活動を中心とした意思形成を重視することで、参議院の在るべき姿を追求することにあります。

また、個人的に着目した点は、衆議院の再議決権(いわゆる60日ルール)は、一定期間、行使できないこととする、としていることです。衆議院に対する抑制と均衡です。

さらには、党議拘束の在り方を見直し、任期が安定していることによる中長期にわたる政策の調査研究等の一層の充実強化を図るとしています。

次に、参院選挙制度改革の議論がなされる際は、二院制の中での参議院の役割と将来像を見つめたうえでの議論がなされることを、議会人のひとりとして望んでいます。