国会の開会式
○国会法第8条
国会の開会式は、会期の始めにこれを行う。
明治憲法下では帝国議会の開院式を経て国会が開会されていましたが、現行憲法下では開会式は儀礼的なものになっています。
なぜ現行憲法下で開会式は儀礼的なものになったのでしょうか。
それは、明治憲法下においては、帝国議会の召集と開会は区別され、召集のみならず、開会から衆議院の解散に至るまで天皇の大権とされていたからです。
よって、帝国議会は召集されただけでは活動能力を取得できず、開院式における天皇の開会の勅語によって活動能力を取得したのです。
現行憲法下においては、召集によって集会した以上、院の構成など会議体として活動し得る条件を満たしてさえいれば、すぐに活動を開始できることから、法律的観点に立てば開会式を行う必要はありません。
ただ、国会法が制定される際、国会は国権の最高機関である以上、儀式として開会式を行う必要があるとの考えの下、開会式の項目は残ったのです。
開会式は、召集日の当日に行うことがほとんどですが、会期最終日に開会式を行った例が3例あります。いずれも特別会で会期は3日間です。
平成12年 第148特別会
平成24年 第182特別会
平成26年 第188特別会
そして、衆議院の解散により開会式を行うに至らなかった例は5例あります。
昭和27年 第14回国会
昭和41年 第54回国会
昭和61年 第105回国会
平成8年 第137回国会
平成29年 第194回国会
なお、国会の閉会にあたっての儀式は特に行われません。帝国議会では、勅命により衆議院、貴族院両院議員が会同して閉会式を挙行すべきものと定められていました。
