吉川さおり 参議院議員(全国比例)

事務所だより

2期目の当選から2年

2015年7月22日

2013年7月21日は、第23回参議院通常選挙の投開票日、
私にとって現職として2期目に挑んだ選挙の投開票日でした。

党に対する逆風吹きすさぶ中、多くの当選同期や先輩議員、
新人が議席に届かない中、また、結党以来最低の獲得議席と
なる中、私は重い2期目の議席を預かることができました。

早いもので、あれから2年が経過しました。

2期目に挑んだ道のりの中、大事な仲間が何人も党を
離れていくなど、様々なことで辛い局面に遭遇しました。

それでも、大きすぎる与党に対峙する野党の存在が必要で、
信頼を失えど、野党第一党である民主党しかない、緊張感
ある議会構成とするために、ここで踏ん張るしかない、そんな
思いで訴え続けました。

私は、あの厳しい情勢下で2期目の議席を預かったことを
思い出す度、全国の多くの仲間の皆さまに、支えて下さった
皆さまに、感謝の気持ちでいっぱいになります。

今は大きすぎる与党に対して、数の力でかなわない状況に
あります。国民各層の理解が得られているとは到底言えない
安保法案の強行採決も結局、止めることはできませんでした。

再考の府、参議院においては野党の割合が衆議院に
比して高いため、より国民各層の幅広い意見を踏まえた
議論がなされること、そして10本もの重い法案を1本の
法案に束ねた問題点がより明らかになることを、立法府に
身を置く議会人のひとりとして願っています。

[2013年7月 2期目に向けての決意]

NTTを退職してもうすぐ丸7年。

私は、6年前の2007年7月、全国各地で306,577名もの方に
「吉川さおり」と個人名を書いて頂き、参議院の被選挙権を得た
ばかりの30歳で国政に送り出して頂きました。

もともとは、普通のサラリーマンの家庭に生まれました。

大学の4年間は週6日、繁忙期は早朝5時から8時まで荷物の
仕分けと積み込みをする中で、女性だけに課せられた深夜業務の
制限を受けるなど、労働法制と働くことの関わりを痛感し、就職
氷河期真っ只中に就職活動を経験しました。

同世代の多くが、どんなに働きたいと願い、どれだけ働く意欲を
持っていても、多くの企業が採用の門戸を大幅に狭め、またその
扉を閉ざしていたような状況に置かれました。

また、私が社会に出た年とその数年後、労働者派遣法が
なし崩し的に改正され、2008年のリーマン・ショックの後には
派遣切りや年越し派遣村という事態を招きました。

バブル経済の崩壊後、1990年代以降の長期的な経済停滞と
成長期待の終焉、それを受けた様々な構造改革こそが、現在の
雇用問題の根源です。

一連の新自由主義に基づく各種構造改革に不況が重なり、
日本社会に多くの不合理な格差がもたらされてしまったのです。

今また、労働法制をはじめ、同じような事態を招きかねない議論がなされています。

若い世代を中心に格差は確実に広がり、日本全体に格差が
固定化しつつある現状は、社会保障制度の根幹をも揺るがしかねません。

これ以上、不合理な格差は広げてはならない、強くそう思います。

私は今年3月6日の参議院本会議で総理にこう問いました。

「アベノミクスは、果たして雇用拡大に繋がるのか。」

「単なる一部富裕層の消費と資産拡大、あるいは大部分の
国民生活を疲弊させる物価上昇に繋がるだけで、社会に蔓延する
不合理な格差の解消に繋がらないのではないか。」

内閣の支持率は高く、今、アベノミクスの問題点を指摘すると、
景気回復の流れに水を差すのかと批判される傾向にあります。

しかし、今の風潮は、郵政民営化の時と酷似している気が
してなりません。当時、郵政民営化の問題点を指摘しようものなら
即、抵抗勢力のレッテルをはられ、本来なされるべき課題の議論が
置き去りにされてしまいました。

その後、郵政民営化の影の部分がようやく議論されはじめ、
昨年4月、郵政民営化改正法案は、私が筆頭理事を務める
参議院総務委員会で可決・成立しました。

政策には、光と影の部分があります。

でも、今は、影の部分は議論をすることすら憚られる状態に陥っています。

たとえ、どんなに厳しい状況であろうとも、問題点は
問題であると、訴え続けていきたいと思います。

どんなに無関心でいたとしても、生活や
仕事と無関係ではいられないのが政治です。

その政治が、生活者・勤労者の立場や視点から遠ざかって行こうとしています。

大きすぎる与党があれば、行き過ぎた政策があれば、議会の
チェック機能を果たす野党がそれを質していかなければなりません。

今はどこを見渡しても逆風ですが、私は多くの皆さまにお支え
頂いて、何とか前を向いて歩みを進めさせていただいています。

政治を志した原点に立ち返って、初心と原点を忘れず、
使命感と責任感を忘れず、そして何より感謝の気持ちを忘れず、
どんな状況下であろうとも、訴え続けてまいります。

今後とも変わらぬご支援、何卒宜しくお願い申し上げます。