ガラスの天井
連合は、10月6日の定期大会で連合初となる女性会長を選出した。
芳野友子新会長は選出後、「(資質や実績があっても女性の昇進をさまたげ、優秀な女性の先輩が大勢いたにもかかわらず))「ガラスの天井」のせいで、労働界から去った先輩の姿を見て、それを突き破るチャンスを逃してはいけないと思い覚悟を決めた」と挨拶した。
また、安心して働き続けられる環境整備のため、組合員の声を受け止めながら前に進むこと、働く仲間の雇用を守ることも力強く述べた。
芳野友子氏で8代目となる連合会長。
今回、芳野氏が選出されるまでには様々な動きがあり、政治的なそれを含む様々な背景や思惑で芳野氏に白羽の矢が立ったのだろう。
女性の一人としてふと思う。
もし仮に通常の改選期であればこのタイミング、つまり2021年10月に女性の連合会長は誕生していただろうか、おそらく否ということを。
ただ、結果として新会長に選出された以上、芳野氏には全力で頑張ってほしいし、複雑な事象を思い切って良い方向に変えてほしいと思う。
芳野氏が新会長に選出された後の報道を見ると、「日本独特の企業別組合は活動が内向きになりがちではないか」と指摘する声が複数あった。
私事になるが、私は10年以上、連合関係の提言論文の審査委員を務めている。近年、そう思わされる論調の提言が増えているのは確かである。
出身は私自身を含めそれぞれだとしても、働く人の雇用を守ること、誰もが安心して働き続けられる環境をつくることこそが、連合の役割である。
そうであるならば、今立ちはだかる壁は乗り越えられるのではないかと思う。
そして今、社会の在り方そのものも問われている。
先ほどの提言の話に戻るが、今年は社会に対して攻撃的な論調の提言もあり、コロナ禍において社会の在り方はもちろん、連合の在り方も改めて問われているのではないかと深刻に考えさせられる提言が複数存在した。
本提言は、先月末、入賞者の発表を行ったところであるが、私を含む運営委員で侃々諤々の議論の結果、今回、優秀賞に選出されたのは、「ジェンダー平等」と「ポストコロナ時代」を見据えた提言となった。
入賞者を決める議論をしたのは、芳野友子氏が連合会長候補に名前が挙がる数週間前のことである。芳野氏の名前が会長候補として報じられた際、小さな偶然を感じずにはいられなかったことは言うまでもない。
企業規模、雇用形態を問わず、すべての働く人のために、芳野氏にかかる期待は大きいだろう。
「ガラスの天井」を突き破って、さらに突き抜けてほしい。
最後に。
芳野さん、とにかくすべての働く人のために頑張ってください!!
連合も政治もまだまだ男性中心主義で大変だと思いますが、心から応援しています。
※写真は10年以上前の国際女性デー街宣(芳野さんも私も若い)
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2007年6月19日公開「女性と政治」
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