参議院先議法案とは
現在開会中の第204回国会の内閣提出法律案は62本です(4月10日現在)。
当初は63本の予定でしたが、1本が取り下げとなり、62本となっています。
ただ、4月8日の議院運営委員会理事会に内閣官房副長官から、これまで検討中とされてきた「国家公務員法等の一部を改正する法律案」について、近日中に閣議決定し、国会提出する方針が伝えられましたので、最終的には63本になる予定です。
第204回国会における「参議院先議法案」は、5法案となっています。もちろん、与野党で協議・合意のうえ決定されています。
そこで、「参議院先議法案」とは何か、またこれまでどの程度の割合で参議院先議となっているのかについて、紹介したいと思います。
予算案は憲法第60条の規定により、衆議院から先に審議しなければなりませんが、法律案に関しては、衆議院から先に審議して参議院に送付しても、参議院から先に審議して衆議院に送付しても良いことになっています。
よって、参議院で先に審議する法案のことを、「参議院先議法案」と呼んでいます。
ただ、やはり衆議院から先に審議して参議院に送付される法案が圧倒的に多く、「参議院先議法案」は割合としてごく一部に留まっています。
なぜ、「参議院先議法案」があるのでしょうか。
それは、国会の会期末になると衆議院から参議院に送付される法律案が次々と出てくるのですが、常任委員会の定例日は決まっており、会期末が近付けば近付くほど、どうしても審議日程は窮屈になってきます。
よって、予算案審議が終わった後、参議院の委員会日程に比較的余裕がある4~5月頃に衆議院と日程をすみ分けながら「参議院先議法案」の審議を行ってきたのです。
第204回国会では、内閣提出法律案62法案のうち、先議は5法案であり、先議率は8%です。
では、これまでの国会ではどうだったのか、について見てみます。
[参議院先議率が高かった常会]
第10回国会(昭和25年) 27.6%
第7回国会(昭和24年) 24.5%
第136回国会(平成8年)23.2%
第46回国会(昭和38年) 21.8%
ちなみに、平成以降で参議院先議率が20%を超えた常会は、7国会あり、直近の例は平成16年の20.5%でした。
[第204回国会における参議院先議法案]
〇内閣委員会
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案
ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案(4/9参本可決)
〇厚生労働委員会
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案
〇国土交通委員会
海上交通安全法等の一部を改正する法律案(4/9参本可決)
〇環境委員会
瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案(4/9参本可決)
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