束ね法案と一括審議-その4
2か月ほど前に、いわゆる束ね法案に対する
問題意識を3回にわたって、思うところを書き
綴りました。
「束ね法案と一括審議-その1」
「束ね法案と一括審議-その2」
「束ね法案と一括審議-その3」
また、幾つもの法案を1本に束ねて立法府に
提出することの問題点については、事あるごと
に、議会人のひとりとして取り上げてきたつもり
です。
束ね法案に対する問題意識を書き綴る契機
となったのは、5月15日、我が国の在り方を
大きく転換することになるであろう重い法案が
立法府である国会に束ねて提出されたからです。
いわゆる安保関連法案です。
そこで、今回の本題です。
この安保法案は、衆議院特別委員会で
7月15日に採決が強行され、委員会で可決しました。
特別委員会の委員長は、与党委員長ですが、与党
出身であるにも関わらず、委員会での法案採決後、
以下のように発言されています。
7月16日の各紙報道の該当部分のみ、書き出してみます。
[日本経済新聞] 10法案一括化を反省
衆院平和安全法制特別委員会の委員長は15日の法案
可決後、国会内で記者団に「もっと丁寧にすべきだ
との批判もあった。分かりやすくするためにも法律を
10本束ねたのはいかがなものか」と語った。
[読売新聞]
安保関連法案はまた、自衛隊法など改正10法案を
一括した「平和安全法整備法案」と、「国際平和
支援法案」の2本で構成される。一つのテーマが
複数の法案に関係することも多いため、与野党から
「議論が拡散する原因になっている」との指摘が出ている。
15日の採決後、委員長は、国会内で記者団に
「もう少し分かりやすくすべきだ。10本の法案を
束ねたのはいかがなものか」と語った。
[朝日新聞] 一括審議 拡散した議論
採決を強行した委員長ですら、審議を振り返って
「法律10本(の改正案)を束ねたのはいかがな
ものか」と政府に苦言を呈したほどだ。
[毎日新聞] 「10本一括はいかがか」
採決の立役者となった委員長も、平和安全法制整備
法案として既存の10法を一括して改正しようとして
いることについて「政府として10本をまとめたこと
自体はいかがかなというふうに思う。もっと丁寧に
やれという批判もあるので」と記者団に語った。
[東京新聞] 「10本ひとまとめ いかがなものか」
委員長が政府案に疑義
安全保障関連法案に関する衆院特別委員会の
委員長(自民)は15日、法案採決後に「政府
として(法案を)10本束ねたのは、いかがな
ものかと思っている」と記者団に述べた。
法案審議の円滑な進行が求められる与党選出の
委員長が政府提出法案に疑義を唱えるのは異例。
次回は、審議時間という側面から見てみたいと思います。
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