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活動記録
国会質疑録
事務所だより

2008年4月8日国会質疑録

総務委員会議事録‐4/4

○吉川沙織君

今回の法人事業税の一部を国税化するということは
暫定措置法案ということですので、暫定という話も
最初にも出ましたし、さっきの加藤理事の質疑の中でも出ておりました。

この暫定措置なんですが、この暫定の期間、
どのぐらいを大臣御自身お考えでしょうか。
三十何年とかではないと思うんですけれども。

○国務大臣(増田寛也君)

先ほどの議論もございましたんですが、当初、私どもの
考えを申し上げますと、これはいわゆる税源交換、法人事業税と
それから地方消費税とを交換するような税源交換を考えておりました。

それを今のような今回提案する
措置にしたのは、やはり消費税に議論が及んでくると。

そうすると、消費税については他の分野、特に社会保障など
との関係で、そちらの方も見通した議論をしなければならないと、
こういうことがあったわけでございます。

社会保障の関係でいいますと、年金の問題、
特に御案内のとおり、基礎年金のところについては
3分の1を2分の1に引き上げるなりなんなりいろいろな議論がございます。

もちろん別途全額税方式のような議論もあるように聞いておりますけれども。


しかし、こちらももう先に延ばすわけにはいかないわけで
ございまして、医療制度も含めて、もうすぐにでも議論をして
考え方をまとめていかなければならない時期に来ているというのは
事実でございますので、

それが今年の暮れなのか来年なのかといったようなことは
あるかと思いますが、今たまたま先生の方からも
お話がございましたように、暫定税率というのは
何十年にもわたって続くものではないんだろうなという
趣旨でのお尋ねかと思いますけれども、社会保障等の
ことも考え合わせれば決してそういうものではなくて、
もうごく近々には今回の税制の抜本改革ということを行わなければいけない。


しかも、そういう間までの暫定措置と、
このように御理解いただければというふうに思います。

○吉川沙織君

では、社会保障のお話が出ましたので、国庫負担率の
関係もありますし、平成21年度というふうに考えてよろしいでしょうか。

○国務大臣(増田寛也君)

これは、例の年金の基礎部分についてのことは、
またいろいろと2009年度からというそういうお話もあるわけで
ございますが、抜本改革時がいつかということについては、
そういった状況も踏まえていろいろ今後議論されるんであろうと
いうふうに思っていますので、

この地方税源を充実強化させるものが今年の暮れなのか
どうかというのは今の時点では確たることを私も大臣として
まだ申し上げることができないわけでございますが、

いずれにしても近々にはそういった抜本改革の議論は
行わなければいけない時期に来ているというふうに考えております。

○吉川沙織君

今回、東京と愛知がかなり召し上げられるということに
なるわけですが、昨年12月の一部報道によりますと、
石原都知事はこんな発言をされているようです。

都の法人事業税の国への暫定拠出について
2年のつもりでいると述べ、初めて具体的な期限を
示したという、こういう報道がございましたが、
これに対してどう思われるか、あればお教えください。

○国務大臣(増田寛也君)

そういう抜本改革時が近いという意味で御認識をされているのではないか。

これは石原都知事の発言を直接聞いておりませんし、
その点について議論、意見交換したわけではありませんので、
まさに推測ということになりますけれども、近々そういうことが
必ず行われなければならない時期が来ていると、
そういう認識でお話しになったということが一つと、

それからあと、この税自体はそういった抜本改革の
議論が行われて税制が変わったとしても、最後1年は
今の今回御提案しているような形で、その新しい形に
移るまでの1年間はこの税制を維持しなければいけないと。


すなわちスタート時点が今年の10月からということに
なっているわけですが、また、新しいところに切り替えるとしても、
法人の事業年度との関係で最後の1年はまた切り替える前に
この制度を維持しなければいけないと、こういうこともございますので、
そのことを考え合わせると最低2年というようなことをお話しになったん
ではないかなというふうに思います。

これは、あくまでも知事がそういうことを
御判断されたんではないかなという意味での私の認識でございます。

○吉川沙織君

ありがとうございます。
先ほど御答弁の中で、景気によって変動が大きいというような御回答ありました。

この調整財源とすることの是非という観点から、
また一つお伺いをさせていただきたいと思います。

今回は、景気回復による地方法人税収が増加をした
東京と愛知の財源を地方再生対策費として活用をしておるわけですが、

今後の景気動向により税収の伸びが鈍化をし、財源が調達できなくなった場合、
どのような対応をされるのか、もしお考えがあればお聞かせください。

○国務大臣(増田寛也君)

今回のこの地方再生対策費でございますけれども、
もちろん今お話ございましたとおり、税の偏在是正により
生み出したものを言わば財源として充てているわけでございますが、
私どもでは、大きな景気変動がない限りはこれは維持をしていきたいと。

もちろん、私どもが予期し得ないような経済変動と
いうのが起こりましたら、それはまたその時点で
考え直さなければいけないというように思っていますが、
いずれにしても、地方の財政構造が大変厳しいという中で、
地方の自主自立に向けてのいろいろな対応策は
地方団体としても必要であると思いますので、今回、
地方の歳出として考えられるものは今後も必要であろうと
いうふうに私ども思っております。


したがいまして、大きな景気変動といいましょうか、
大きな変動がない限りは、引き続き、今回と同程度の
規模の方は確保していきたいというふうに考えております。

○吉川沙織君

大きな何かがない限りは同程度の規模を確保していくという
御答弁だったかと思いますが、これ、東京、愛知は完全に純減になるわけです。

東京ならでは、愛知ならではの
財政需要というものがあるのではないかと思っております。

東京にしてみても、今回、新銀行東京の問題が
ございましたし、もしかしたら災害に直面をするやもしれません。

そのような場合、同程度の額を確保することが
難しいのではないかと思うんですが、そういった財政需要に
対する見通しは、見込みというものはある程度立てて想定を
されているのかどうか、もし御見解があればお聞かせください。

○国務大臣(増田寛也君)

今もお話ございましたような点については
なかなか予期し得ない財政需要なんで、私ども、
両都県の財政需要について見込みとかあるいは
具体的なものを持っているわけではございませんけれども、
しかし、大きな経済動向については当然見通しは持っておりますし、
その中で、この額、よほど大きな変動がない限りは、
今回の額は維持をしていきたいというふうに思っています。


それから、あと東京都、それから愛知県に対しては
今回の制度の趣旨などをいろいろ御説明をしておりまして、
東京都についてはいろいろ御理解をいただいておりますし、

愛知についてもまた引き続き御理解をいただきつつ
努力をしているといったようなことでございますので、
そういった団体の個々の事情については今後もよくお話は
丁寧にお伺いしていきたいというように思っておりますが、
全体としては、先ほど申し上げましたとおり、
今の額などは維持をしていく考えでございます。

○吉川沙織君

今、東京の話が出ましたので、また都知事の話に戻りたいと思います。

2月20日の石原知事の施政方針の
演説の中で今回の件について触れた部分がありました。

かなり皮肉というか、過激な表現でございますけれども、
「今回の改正をあくまでも暫定措置に止めさせ、
日本の発展に繋がる首都東京の重要政策に対して
国が最大限の協力をするとの約束を取り付けました。」とあり、


先ほど2年のつもりでいるという心積もりの
一部報道も紹介をさせていただきました。

今回、見返りとして13の重要施策を示しており、
将来的には、東京のインフラ整備のための財政負担も
今後国として税制課題として背負っているのではないかと
思うんですが、それについてもし御見解があればお聞かせください。

○国務大臣(増田寛也君)

東京都の方から、そうした東京都として考えております
重要なプロジェクトについて国との協議の場を設置してほしいと、
こういう提案があって、これは関係する省庁とも御相談した上で
そういう場を設置をして、昨年の暮れに1回をたしか開いたと思いますが、
また順次今後開いていくことになるんだろうというふうに思います。

それは、東京都のプロジェクトに対して国としても
かかわりを持つ観点から、どういうことができるかと
いうことを御相談をしていくということでございますが、

そのこと自体が大きな国として財政負担を負うことに
なるのかどうかと、これは今後のそこでの協議の内容だろうと
いうふうに思いますし、今回こうした措置を講ずるということが、
今申し上げましたような将来の東京都のプロジェクトに対して
財政負担を負うということと直結するものでは決してございません。


協議は協議として、それは必要な限りにおいて
別途やっていくわけでございますが、それは今回の
この法人二税の、特に法人事業税の制度改正とは
別に進めていく問題でございます。

○吉川沙織君

是非、切り離して進めていっていただければと思っております。
今回の地方再生対策でございますが、これもあくまで暫定ということです。

安定こそが第一の税制というものを、
やっぱり暫定という観点に立てば損ねているのでは
ないかということを、一つ懸念をいたしております。

また、この地方再生対策は、国の施策と称しながらも
国の財政には負担を掛けず、地方財源を使った地方対策に
すぎないということを是非申し上げておきたいと思っています。

最後になりますけれども、今の税制ですと
自分の納めた税金が、自分の払った税金がどこに
どのように使われているか非常に分かりにくいというのを、
私自身、身をもって実感をいたしました。

結局、自分が地方に納めたつもりでも、いったんそれが
国に吸い上げられて、またいろんなところに再配分をされる、
このような仕組みが今の現状で、有権者も税を納めていると
いうふうな意識を持ちづらいようにあえてしているのでは
ないかと思うぐらいの私自身は感想を抱きました。

ですから、今後は地域で、地域の住民の皆様によって
ニーズに沿った事業を展開できるように、三位一体改革で
削減をされた地方交付税の復元含め、地域のことは地域で決められるような、
そういう政治を増田総務大臣中心になって進めていただければと
思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

議事録一覧

27分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。
大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

  • 議事録1/4
    暫定税率の期限切れについて
  • 議事録2/4
    税源移譲を含む分権改革の方向性について
  • 議事録3/4
    法人事業税の一部を国税化することについて
  • 議事録4/4
    地方法人特別税等の暫定措置期間、景気変動による財源調達について