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国会質疑録
事務所だより

2011年11月4日国会質疑録

災害対策特別委員会 議事録6/6

○吉川沙織君

これまで述べてきました避難勧告・指示等が
的確に発令され、避難行動に移していただく
ためには、情報が適切に伝わることが必要
不可欠です。最初に取り上げました内閣府の
調査によれば、避難勧告等の伝達方法で特に
効果的だった方法としては、防災行政無線が
最多を占めています。

先ほど指摘しました正常性バイアスから放たれ
避難行動に移していただくための重要な情報
伝達手段であることに相違ありませんが、今回
焦点を当てますのはその放送内容です。

東日本大震災においても、首長判断によって、
法律や行政上の用語ではないんですけれども、
命令口調で避難せよと放送を行って住民の避難を
適切に誘導した自治体の事例が報告されています。

この事例を参考に、今後、確実に避難行動に
移してもらうため、防災行政無線の放送内容の
在り方について検討すべき内容だと考えますが、
いかがでしょうか。

○国務大臣(平野達男君

避難指示、避難勧告はタイミングが重要だと
いうことでありますし、それと併せて効果的に
伝達されることが大切だということだというふうに
思います。

住民の心に響くことが迅速な避難行動に
結び付くというふうに理解をしております。

国におきましては、従来から「避難勧告等の判断・
伝達マニュアル作成ガイドライン」を作成いたしまして、
伝達すべき項目を例示して示すとともに、伝達例文や
ひな形をあらかじめ用意するように促してきたところで
あります。

一方で、効果的な伝達方法につきましては、今
委員からも御指摘がございましたけれども、地域で
様々な工夫がされておりまして、例えば今年9月に
豪雨災害に見舞われた奄美地方では、被災地の
区長が命令口調で避難を呼びかけたということが
ございまして、それが効果を発揮したというような
例も承知しております。

そうした事例も踏まえまして、住民の避難行動に
効果的に結び付くような避難勧告等の伝達の
在り方については検討を進めてまいりまして、
徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。

○吉川沙織君

避難勧告を適切に発令して情報をお伝えして
避難行動を起こしてもらうためには、情報の
伝達拠点ともなる行政庁舎等の防災拠点が
機能不全に陥ってはならないと思います。

今回の大震災、台風12号では残念ながら
このような事例もあったところですが、先ほど
引用しました総務省消防庁の検討会のアンケート
結果によれば、施設、庁舎の機能喪失等を想定した
代替施設等についてという質問項目があります。

市区町村については、地震、津波等による機能
喪失等を想定して代替施設、代替機能等について
定めている、29%、定めていない、69%となっています。

この調査を踏まえますと、代替施設、代替機能等に
ついて定めていない市区町村が約7割に上っています。

中央防災会議の9月28日の専門調査会報告に
おいても、「施設が被災した場合、その影響は
極めて甚大である」と指摘されていますが、国として
これまでどのような指導や助言を行ってきたのでしょうか。

○国務大臣(平野達男君

今回のいろいろな、いずれ、様々の災害の教訓を
踏まえまして、そういった代替の施設の機能の在り方
等々についてもこれは検討していかなければならない
というふうに考えております。

○吉川沙織君

是非検討を進めていただければと思います。
もう少しお伺いしようと思ったんですが、避難に
関しては、避難のための十分な時間が確保
されなければ、かえって避難中に被災する
おそれがありますので、逆効果になってしまいます。

しかし、最近の災害発生、ゲリラ豪雨にしろその
ほかの災害にしろ、住民が必要にして十分な
情報を事前に入手して適切に分析するというのは
困難であります。

だからこそ、今まで申し上げました避難勧告や
避難指示等が重要になりますが、住民側の
理解も必要不可欠となります。これまでの
各災害、特にチリ地震のときやなんかは
そうでしたけれども、避難率の低さが大変
問題になっていますが、予測にはやはり
限界があるということ、それから、避難勧告を
出したけれども大したことはなかったという
空振りがあるということも国として理解を求めて
いく必要があるとともに、国民の生命、身体を守るため
でき得る限りの方策を取る必要があることを申し上げて、
私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。

議事録一覧

30分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。

  • 議事録1/6
    土砂災害警戒区域に関する国の把握状況
  • 議事録2/6
    避難勧告等の発令主体、ガイドラインの在り方
  • 議事録3/6
    市町村の防災体制に関する国の把握状況
  • 議事録4/6
    避難勧告等の認知度、計画に災害心理を考慮する必要性
  • 議事録5/6
    避難訓練の在り方
  • 議事録6/6
    情報伝達、防災拠点の代替施設の在り方