吉川さおり 参議院議員(全国比例)

国会質疑録

議院運営委員会(2022年1月17日)

2022年1月17日

第208回国会(常会)召集日の1月17日のの議院運営委員会において、特別委員会の設置に賛成の立場から意見表明を行いました。

参議院の委員会等には、総務委員会や経済産業委員会といった常任1種委員会、議院運営委員会や行政監視委員会といった常任2種委員会、参議院独自の調査会等のほか、会議ごとに設置されることが通例となっている特別委員会があります。

常任委員会については、会期を問わず常に存在する委員会であり、常任委員長の辞任や選任は本会議で行われます。

特別委員会に関する規定は、国会法第45条に定められています。

「特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる。」

つまり、特に必要がなかったり、審議の機会がなかったりするのであれば特別委員会を設置する必要はありません。

私はかねてより議運理事会の場で、毎国会会期冒頭に当たり前のように従来どおりの特別委員会の設置を行うという、「特別委員会の常任委員会化」に関しては疑問を呈してきました。

特別委員会を設置するのであれば、充実した審議が必須であり、これが大前提であることは言うまでもありません。にもかかわらず、野党各会派の審議の要請にもかかわらず、ほとんど開会されない特別委員会が存在するのも事実です。

参議院においては特別委員会の再編について議論を行ってきた中で、特別委の統合・再編は審議活性化のためであること、充実した審議を行うこと、これらについて政府にも申し入れることなど、この間の議論に鑑みて、すべてに納得する形にはならなくとも、賛成することとしたため、特別委員会の設置の件について諮る本会議前の議運委員会で意見表明を行いました。

意見表明することとした理由は、一部会派が災害対策特別委員会と東日本大震災復興特別委員会の設置に反対(これら2つを統合すべき)することからその意見表明を行うとのことで、私たちの会派としても意見表明をすることとしたものです。

それぞれの特別委員会には、それぞれ設置の経緯と理由があり、これらを裏付ける委員数となっています。私自身の経験と国会法を引用しながら会議録に残す機会をいただいたことに感謝しています。


[特別委員会設置の件 意見表明]

私は、会派を代表し、特別委員会の設置に賛成の立場から意見表明を行います。

平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から本日で27年を迎えました。国会法改正により常会召集は平成4年から1月となっていますが、召集日が1月17日となったのは今回が初めてです。ここに、改めて犠牲になられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された方にお見舞い申し上げます。

平成7年1月17日、高校3年時に徳島県北部の実家でその揺れを経験した私は、平成19年通常選挙で本院に議席を預かり、最初の議案が災害対策特別委員会での被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案でした。

ねじれ国会下で民主、自民、公明の共同発議による参法として審査され、平成19年11月9日の本院本会議において全会一致で可決され、衆院送付、同日成立しました。

被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災を契機とした平成10年制定法であり、そのとき入れられなかった内容が平成19年改正で盛り込まれたのです。

その災害対策特別委員会の委員数は20。機動性を高め、災害があれば委員会として実情視察を行い、質疑等に生かしてきました。

他方、平成23年6月13日に設置され、以降継続して設置され続けている東日本大震災復興特別委員会は、前臨時会までの委員数が40。

大規模特別委員会としたのは、復興に向けて多くの議員がその議論に参加するためでした。今回、委員数は35となりますが、1月14日の議運理事会において、特別委員会として設置するからには充実した審議を行いたい旨与党から発言がありましたので、賛成するものです。

私は、平成28年1月以降、議運理事会の場で、特別委員会の常任委員会化は問題である旨指摘してきました。

国会法第45条は、「特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる。」としており、特に必要があると認めて設置する以上、審議することが必然であるにもかかわらず、開会すらかなわない特別委員会が存在したためです。

また、常任委員会の所管に属しない特定の案件の審査のために設置するのですから、地方創生デジタル特別委員会に関し、1月14日の議運理事会でも与党から内閣委員会の所管を減らすことを目的とする再編ではない旨明言がありましたので、改めて確認しておきたいと思います。

この間、本院においては特別委員会の在り方について議論を進めた経緯があり、全てに納得する形にはならなくとも、1月14日の議運理事会において議運委員長から、特別委員会の活性化のための再編であること、活性化させ、審議が進められるよう政府にも申し入れる旨発言があったことに鑑み、賛成するとともに、設置する以上、充実した審議を改めて求め、意見表明といたします。