議院運営委員会(2021年6月3日)
6月3日の議院運営委員会において、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」の審議入りに反対の立場から意見表明を行いました。
本法案は、与党内での協議が難航したために、内閣自らが定めた内閣提出法案の提出期限に間に合わなかった今国会、唯一の「提出遅延」法案です。さらには、今国会の会期末は、6月16日に迫っています。
参議院は後議の院であることが多く、充実した審査を行うため、20日間の参議院での審議期間の確保を参議院改革の一環で、歴代参院議長が衆議院に申し入れてきた歴史があります。
よって、6月3日の議院運営委員会において、与党内でも協議が難航したために提出遅延となるほど課題が多い法案であること、会期延長がなければ十分な審議期間が参議院で確保できないことから、4日の本会議の審議入りに反対せざるを得ませんでした。
ただ一方で、本法案の趣旨と必要性について、理解はしています。
なぜなら、今から10年前、当時の民主党は「外国人による土地取得に関するPT」を設置したうえで、規制策を検討し、実際に法改正を行った経験があるからです。
ただ、本法案は規制の実効性が乏しいうえ、衆院段階の審議において政府答弁は法的安定性を欠き、法で規定すべきことがほとんど書かれていないのです。
立法府は、内閣提出法案について条文を基に議論し、運用上の課題や懸念を払しょくし、より良い行政運営につなげていく役割を担っています。しかしながら、本法案は、あまりにも条文に書き込まれていないことが多すぎて、法律による行政の原理がないがしろにされています。
本法案の必要性を理解するからこそ、条文に明記すべき項目は明記し、法案の提出し直しが筋であることを指摘して、意見表明としました。
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