第171通常国会/決算委員会(2009年4月20日)
質疑模様、舛添厚労大臣答弁
舛添厚労大臣答弁、質疑模様
議事録一覧
40分の質疑内容について、参議院webページからそのまま引用しています。大まかな項目ごとに分割してアップさせていただきました。ご覧頂ければ幸いです。
4月20日の決算委員会では、30分の時間をいただき、
第三回目となる省庁別審査(厚生労働省)にて質疑に立ちました。
主な質疑内容
国会初質問の際も取り上げ、私自身が強い思いを持って取り組んでいる、
若年者雇用対策の在り方という観点から質疑を行いました。
(1)若年者雇用対策に係る総事業費と事業数[厚労省]
(2)フリーター常用雇用化プランの政策効果[厚労省]
(3)「常用雇用」の定義に関する検討状況[厚労省]
(4)フリーター、ニートに対する位置づけ及び見解[厚労省]
(5)再チャレンジ支援策に対する評価の必要性、
ジョブカフェモデル事業再委託に係る高額人件費に対する見解[内閣官房、経産省]
(6)今後の若年者雇用対策の在り方[厚労省]
平成20年末の議員立法「緊急雇用対策4法案」(参院可決)においても、
私自身は発議者の一人として法案を提出し、内定取り消し規制法案の
担当者として雇用問題に取り組んでいます。若年者雇用対策における
政府の取り組みとしては、平成15年「若者自立・挑戦プラン」策定を
契機として関連省庁で展開されていますが、類似事業の多さなど、本政策の
ターゲットである若年層から見て非常に分かりづらい現状が存在しています。
また、委託先のみが潤いかねないような状態もあり、真に有効な若年者雇用対策が
必要であることや問題点を質しました。
概略
若年者雇用対策事業を数多く展開している現状に鑑み、平成14年度
から平成21年度見込みを含め、若年者雇用対策事業に係る総事業費
を問いました。概算で3,000億円程度が若年者雇用対策事業に投入されていますが、
これは厚労省の単独事業費です。関連省庁である内閣府・文科省・経産省の
事業費を合わせると膨大な額が投じられていることになりますが、実効が
伴っているかどうか、対策を必要としている若者層に政策効果が届いているか
について検証が必要です。事業数については、その類似性を指摘しながら
その多さを質しました。
(2)について
厚労省は、フリーター常用雇用化プランなど若年層の常用雇用化に
取り組んでいますが、この間、対象となる若年者そのものの人口が
減少していることや、リーマン・ショック前までは新卒採用市場の改善
という状況もあり、その政策効果は極めて限定的であったのではないか
との観点に立ち、厚労省の見解を質しました。
(3)について
若年者雇用対策事業を行うにあたり、その成果を測る際にどれだけ
正社員として就職できたかをみることが重要です。しかしながら、
その前提となる雇用の数を測る指標として、厚労省は「常用雇用」
「常時雇用」などの言葉を用いて定義が定まっていません。
1月の大臣記者会見で、この定義について整理をしているとの見解が
示されていたことから、進捗状況について見解を求めました。
また、若年者雇用対策の成果を測る際の指標として、正社員に
なったかどうかで目標の達成率を測ることの必要性についても見解を質しました。
(4)について
若年者雇用対策には、フリーターやニートという言葉が多く使われています。
しかしながら、一連の政策が立ち上げられる際の前提認識そのものに
看過し得ない偏向がある可能性について、データを用いながら見解を質しました。
(5)について
決算審査の対象となっている平成19年度予算が編成された際の
目玉政策は、 「再チャレンジ支援策」でした。19年度予算では
1,720億円、20年度予算では1,898億円が計上されたにも関らず、
政権の投げ出しに伴い、わずか2年で再チャレンジ支援は死語に
なってしまいました。再チャレンジ支援の柱が若年者就労支援と
されていた以上、この間の評価をする必要性について内閣官房に
見解を質しました。また、経産省が16年度から18年度までモデル事業
として展開したジョブカフェ事業(厚労省でも実施)について再委託の
人件費の高さについて問題点を指摘しました。
(6)について
若年者雇用対策は、今後の日本社会・経済を展望したときに、
非常に重要な政策分野です。しかしながら、その事業数の多さや
機能の重複、類似性など、これら事業を本当に必要としている若者
に対して、政治の光が当たっているとは言い難い状況です。つまり、
労働市場の側の構造的問題を問わずに、若者の意識や能力の問題に、
今日の雇用問題の打開策を求めようとしているのが現状です。
若年者雇用対策事業を分かりやすくある程度一元化する必要性、
委託先のみが潤う構図の撤回、若者のみに起因するかのような政策から
企業を含めた社会構造全体の変革を促す必要性について見解を質しました。
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