参議院先議法案の割合-その2
記録が残る中で、内閣提出法律案の数が最も少ないのが今国会であることは、先日「第190回国会における内閣提出法案(過去最少)」で紹介したところです。
あらためて、今国会の内閣提出法案数は、というと55法案です。
その要因の一つに、かねてから取り上げ続けている「束ね法案」が関係していること言うまでもありませんが、これに関しては、機会を見て(気力があれば)別途書いてみたいと思います。
それはさておき、今国会における参議院先議法案は、4法案の見込みとなりました。
昨年の今頃も、「参議院先議法案の割合-その1」として紹介しましたが、今国会の参議院先議率は、7.3%に留まってしまいました。
参議院は、会期末に衆議院から送付されてきた法案の審議が立て込み、常任委員会の定例日等の関係からどうしても審議日程が窮屈になる傾向があります。よって、予算案審議が終わって、参議院の日程に余裕がある4月頃に参議院先議法案の審議を行うこととしていますが、どうしても衆議院から送付されてくる法案が圧倒的多数を占めています。
参議院はその歴史の中で、参議院先議法案の割合を増やすべき、との議論を重ねてきただけに、今国会の先議割合は例年に比しても非常に少ないといえるでしょう。
具体的に数値で見ると、今年を除く過去10年間の常会での先議率の平均12.3%と比較すると、今年の7.3%はかなり低いのですが、今国会の内閣提出法案がそもそも過去最少の55法案であること、また前の国会の第189回国会からの参議院での継続法案が多いこと等に鑑みれば、致し方ない側面があるのかもしれません。
[第190回国会における参議院先議法案]
○文教科学委員会
国立大学法人法の一部を改正する法律案
○農林水産委員会
漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案
○経済産業委員会
中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の一部を改正する法律案
○国土交通委員会
海上交通安全法等の一部を改正する法律案
