吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

衆議院の解散-その3

2017年9月27日

衆議院の解散は、憲法の定める天皇の国事行為のひとつであり、詔書により、内閣総理大臣から衆議院議長に伝達されます。

詔書とは、国事行為について天皇が発する公文書で、天皇の署名である御名が行われ、かつ御璽が押され、さらに内閣総理大臣が副書します。

天皇の国事行為は、内閣の助言と承認により、内閣の実質的な決定にしたがって、形式的・名目的に行われる行為です。

よって、何度も繰り返していますが、衆議院解散の決定権は内閣にあるのです。

この点に関する内閣の見解について紹介します。

○昭和60年12月20日
衆議院解散権の帰属に関する質問主意書」(質問第22号)に対する答弁書(内閣参質103第22号)。

質問二について
「憲法第7条各号に掲げられている国事に関する行為については実質的に決定を行う権限を有するのは、天皇の行う国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であると解している」

質問三から五までについて
「衆議院の解散は、憲法第7条において天皇の国事に関する行為として規定されており、この場合、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である」

だからこそ、今回、ようやく臨時会を召集した途端の冒頭解散については行政権たる内閣の判断について、色々と考えを巡らせてしまうのです。

憲法第53条の規定に基づき6月22日に召集要求が出されていたこと、「これまでにない深刻かつ重大な脅威」と強い表現を用いて北朝鮮に関する声明を出す一方で、北朝鮮に対する抗議決議を国会の本会議で行わないまま解散すること、内閣改造後国会での本格論戦を経ないままであること、等を勘案すると、それ前提で臨時会召集日、会期の件も扱わないまま、閉会中審査のための手続きを参議院で行うのが良いのか否か、立法権と二院制の在り方と併せて考え続けています。