吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

衆議院の解散-その4

2017年9月28日

日本国憲法第69条は、「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」と規定しています。

しかしながら、解散の理由はこれら2つの場合に限定されるわけではありません。

内閣不信任決議案の可決を理由とする解散は、第1回国会以後24回行われた解散の中で4回のみです。

[内閣不信任決議案の可決を理由とする解散]

○昭和23年12月23日 第4回国会 吉田内閣「馴れ合い解散」
○昭和28年3月14日 第15回国会 吉田内閣「バカヤロー解散」
○昭和55年5月19日 第91回国会 大平内閣「ハプニング解散」
○平成5年6月18日 第126回国会 宮澤内閣「政治改革解散」

内閣不信任決議案の審議中に解散された4回を含めても、内閣不信任決議案可決による解散は半数に届きません。

衆議院解散の詔書には、解散の憲法上の根拠条文が記載されます。

ただし、第1回国会以後、初回の解散を除き、内閣不信任決議案の可決による解散の場合を含め、憲法第7条のみが引用されています。

初回の解散は、占領軍当局の指導もあり、馴れ合いの内閣不信任決議案可決によるものですが、この時の詔書には、憲法第69条及び同第7条が引用されました。

なお、衆議院解散後には、政府声明又は内閣総理大臣談話が発表される例となっており、談話で示された解散の理由は様々です。

例えば、「内外の情勢と直面する課題の大きな変化への対応」など、ここ最近の解散時にも必ず行われてきました。

しかし、今回はその発表をしないとの報道が、解散前日になされました。

以下、平成29年9月27日になされた報道の概要です。

「9月27日の記者会見で官房長官は、9月28日に召集される臨時会冒頭で衆院が解散された後、総理が同日中に記者会見を開かないことを明らかにした。

平成17年当時の総理による「郵政解散」以降、4回あった衆院解散ではいずれも総理が解散当日に会見し、解散理由などを説明してきた。現総理も前回平成26年の解散時には、衆院解散を表明した11月18日と解散当日の同月21日の2度にわたって会見している。」