吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

参院議員半数の任期満了に伴う謝辞-その1

2016年6月13日

○参議院先例録552

議員の半数の任期満了に当たっては、議長が挨拶を述べ、議員から謝辞を述べるのを例とする

議員の半数の任期満了に当たっては、議長は、その会期の最終の会議終了に際して挨拶を述べ、任期満了となる議員を代表して年長議員が謝辞を述べるのを例とする。

(注)
第15回国会閉会後の参議院緊急集会昭和28年3月20日の議院運営委員会において、任期満了となる議員のうち、次の通常選挙に立候補しない年長議員が謝辞を述べる旨を決定した。

第24回国会昭和31年5月24日の議院運営委員会理事会において、謝辞は任期満了となる議員中の年長者が行うほか、他に条件を付けないこととした。

平成28年6月1日、第190回国会は会期末を迎えました。今期は参議院議員の半数が任期を迎え、7月には第24回参議院通常選挙が執行されます。

今国会では先例に基づき、実に9年ぶりに議長が挨拶し、議員から謝辞が述べられました。

参議院議員半数の任期満了に伴い、その会期の最終の会議終了に際して挨拶が行われた直近の例は、9年前の第166回国会平成19年7月5日まで遡るのです。

つまり、第22回参院選前の平成22年の会期終了日、第23回参院選前の平成25年の会期終了日は、半数の議員が任期満了となるにも関わらず、議長の挨拶も、議員の謝辞も行えるような状況にはなかったことを意味しています。

この間、何があったのかといえば、いわゆる「ねじれ国会」でした。

平成19年の第21回参院選において、野党が第一会派となり、衆参で与党と野党の多数が異なるねじれ現象が誕生したのです。そして、その後、当該野党が政権交代を果たしました。

しかし、平成22年の第22回参院選においても、野党が第一会派となり、再びねじれ現象が誕生し、参議院においては難しい運営を強いられる状態が長く続くこととなったのです。

よって、平成22年と平成25年の会期終了日は、混乱の末、議長の挨拶も議員の謝辞も行えませんでした。

ただ、平成25年の第23回参院選において、ねじれ現象は解消され、また今国会においては、与野党が激しく対立するであろう内閣提出法律案は、第24回参院選後の審議とすることを行政府が選択したため、会期末に大きく混乱することはありませんでした。

今回、9年ぶりに挨拶や謝辞が行えた所以ですが、次回は、先例に沿っていなかった挨拶の例を紹介したいと思います。