憲法と参議院における総予算審査の関係
○日本国憲法第60条
予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
上記は、衆議院の予算先議権、予算議決に関する衆議院の優越を規定した条文です。
憲法は、衆議院で必ず先に予算を審議することと、参議院に送付されたのち、否決された場合や30日以内に議決しない場合は、衆議院の議決が国会の議決となることを定めているのです。
よって、予算案本体は、参議院の議決に関わらず、衆議院で議決された時点でその成立が保証されますので、参議院の30日ルールを睨みつつ、衆議院での採決日程が与野党間のせめぎ合いとなるのですが、今年は3月1日の衆議院本会議で予算案の採決をすることが既に合意されています。
30日ルールからすれば、予算案本体の年度内成立は既定路線ということになります。
つまり、現時点で、衆議院にある平成28年度予算案は、3月2日までに衆議院から参議院に送付され、参議院が受け取ってさえいれば、30日ルールに基づき、年度内に成立させることが可能だからです。
久々に想定カレンダーを作成してみましたが、今回は控えめに3月第1週分だけとしました。 
ちなみに、予算案本体は衆議院で議決されれば成立は保証されますが、予算関連法案に関しては「法律案」ですので、両議院で可決した時に「法律」となります。
ただ、昨年紹介したとおり、参議院が衆議院と異なる議決をした時や、参議院が60日以内に結論を出さない時は、憲法に衆議院の優越が規定されています・・。
