内閣不信任決議案とは-その2
「内閣不信任決議案とは-その1」では、日本国憲法第69条の規定を引用して、内閣不信任決議案について紹介しましたが、今回は、その扱いについて学説上の紹介をしたいと思います。
内閣不信任決議案が出た場合の考え方です。
内閣の存在は、国政にとって1日も欠くことのできないものです。
その内閣を内閣総理大臣の指名を通じてつくるのが国会の責任ですから、その内閣の存立に関わる問題=内閣不信任決議案が提出された場合は、一刻も早く解決しない限り、国政の停滞を避けることができないとされています。
すなわち、内閣が提出した法律案等を審議する国会で、その内閣に対して不信任決議案が提出された場合は、全ての内閣提出法律案も国会で審議できない状態になる、との解釈です。
第190回国会の最終盤である、平成28年5月31日(火)13時1分、衆議院に内閣不信任決議案が提出されました。
火曜日は、参議院の常任委員会の定例日です。
会期末前日ですが、衆議院から送付されてきた法案審査を終えるべく、内閣・法務・農水・国交の4常任委員会が開会し、法案等の審査を行っていましたが、内閣不信任決議案が提出される前に、すべての委員会採決は終わっていましたので、審議中断という事態には至りませんでした。
内閣不信任決議案は、別の院であっても委員会審査を中断せざるを得ないような重いものです。
