2009年4月20日国会質疑録
決算委員会議事録-1/6
○吉川沙織君
民主党の吉川沙織です。
私、国会の初質問では、若年者雇用問題について舛添大臣
と議論をさせていただきました。今日はそのことについて大臣と
また質疑をさせていただければと思います。
私自身、就職活動をいたしましたのは今から11年前、超就職
氷河期と言われた世代です。今から10年前に私自身は会社員
として社会人のスタートラインに立たせていただくことができました
けれども、しかしながら、どんなに働きたいと願ってどんなに働く
意欲を持っていたとしても、同世代の多くが、正社員の口が余りにも
少なかったものですから、望まずして非正規雇用という働き方を
余儀なくされたまま今30歳前後を迎えているような状況にあります。
今の時代、新卒で正社員になれなければ、企業は職業能力や
経験がないとみなし、正社員としての雇用を控える傾向は顕著で
あるため、非正規というスパイラルから抜け出せないのが我が国の
現状ではないかと思います。同世代の多くが正社員になれないまま
30歳前後を迎え、明日に夢や希望を持てなくなっています。
一方、正社員になったとしても、この世代の採用抑制が余りにも
大きかったものですから、恒常的な超長時間労働に追いやられて、
心身共に疲れ切ってしまっているというような状況があります。
実際、20代、30代の我が国の死因の第一位は自殺となっています。
それも、ほかの死因を大きく引き離しての一位であり、ほかの先進諸国には
ない現実であります。若い世代が明日に夢や希望を持てない国と
なっている悲しい側面の一つであると思います。
政府においては、平成15年の若者自立・挑戦プランの策定を契機
として若年者雇用対策に取り組んでいるということは承知しておりますが、
その事業内容や効果についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まず最初に、平成21年度見込みを含めた平成14年度からこれまでの
若年者雇用対策に係る総事業費、厚生労働省分についてお伺いいたします。
○政府参考人(太田俊明君)
若年者雇用対策関係予算につきまして、平成14年度から
21年度までの予算額についてお答え申し上げます。
まず、14年度当初予算額は約162億円でございます。
その当該年度の補正予算の追加額が約3.6億円でございます。
15年度が252億円、16年度が約301億円、17年度が約374億円、
18年度約363億円、19年度予算額は約353億円でございます。
20年度は当初予算額が約333億円で、一次補正が約11億円、
二次補正が約0.5億円の追加額でございます。
平成21年度予算額は約551億円となっているところでございます。
○吉川沙織君
今お答えいただいたのを総計すると、大体3,000億近くという膨大な
額になります。今回は、厚生労働省の分だけお伺いいたしましたが、
若年者雇用対策においては、厚生労働省のほかに内閣府、経済産業省、
文部科学省に関連予算があるため、関連省庁の総枠にすると更に大きな
額となると言えます。
そこで、厚生労働省における若年者雇用対策に
係る事業数についてお伺いしたいと思います。
様々な事業が展開されているということは理解をしておりますが、
平成15年、17年、19年、21年度分についてすべての事業数を
お答えください。
○政府参考人(太田俊明君)
若年者雇用対策につきましてはそれぞれのニーズに対応して
事業を講じているところでございまして、関係の事業の数で
ございますけれども、
15年度が20事業、17年度が24事業、
19年度が36事業、21年度が43事業
となっているところでございます。
○吉川沙織君
なぜこのお伺いをさせていただいたかといいますと、先ほどの
行田委員からもいろんな質問ありましたが、同じような事業が
同じように展開をされていて、数を数えようと思ったら、何が一体
どうなっているのかさっぱり分からないということで今お伺いを
させていただきました。
今御答弁いただいたものと私が調べたもの、ほとんど同数のものと
年度によって若干差があるものがございましたが、機能が重複している
と考えられる事業や名称が非常に似通っていて何がどう違うのか
分かりづらいものが多いと考えます。
例えばジョブと名が付く事業ですね。ジョブカフェ、ジョブ・カード、
ジョブサポーター、ジョブパスポート、ジョブクラブ、ジョブミーティング、
ヤングジョブスポット、ジョブトレ、ジョブパーク、このほかにもいろんな
事業を挙げれば枚挙にいとまがないぐらい打ち出されております。
大臣、これ事業数余りに多いと思われませんでしょうか。多いか
少ないかだけで結構でございます。
○国務大臣(舛添要一君)
一概に申し上げられませんが、行田さんに先ほどお話し
しましたように、とにかく予算を付けるためにいろんな事業を
つくるという面もあるということを御理解いただければと思います。
○吉川沙織君
就職氷河期にどうやっても正社員になれなかった若者が
いるのに、予算を付けるためだけに何か新しい事業を
それまでの事業の効果を厳密に評価をせずに展開をしていって、
それがひいては税金の無駄遣いになってしまうというのは私は
どうも納得がいきません。
これ、また求職、求人側双方から見ても同じような事業が
中途半端に実施されている状況が存在して、非常に分かりづらい
という事業、企業に強い働きかけをしない限り実効性が伴わないと
いうような事業も散見されます。
ですから、事業を継続するにせよ、新規に予算を付けるためか
どうか分かりませんけれども、立ち上げるにせよ、この間の取組
について客観的な評価と検証が必要であり、真に必要な若年者
雇用対策事業とそうでないものの見極めが必要でないかと考えます。
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