2009年4月20日国会質疑録
決算委員会議事録-5/6
○吉川沙織君
そこで、就職氷河期世代に光を当てるということで
平成19年度予算を編成されたのは安倍内閣です。
その目玉政策の一つが再チャレンジの支援策でありました。
担当大臣まで置いて鳴り物入りで始められたものであり、
19年度予算では何と1,720億円、20年度予算では1,898億円も
計上されていました。しかし、安倍総理が政権を投げ出した後、
政権を引き継いだ福田内閣では全く見向きもされなくなり、
内閣官房に設置した再チャレンジ担当室もわずか2年で廃止され、
再チャレンジはほとんど死語になってしまいました。
再チャレンジ支援の柱が若年者就労支援とされていましたが、
この間の評価をする必要があるのではないかと思いますが、
担当にお伺いします。
評価する必要があるかないかだけで結構です。
○政府参考人(井内正敏君)
再チャレンジ支援策については、再チャレンジ支援総合プランに
おいて示された各種施策に関して今取組が進められているところで
ございます。これにつきましては、具体的な施策の実施が軌道に
乗ったことから、御指摘のように推進会議については昨年9月に
廃止したところでありますけれども、引き続きこの総合プランに
基づいて関係省庁において施策を推進していくことが重要と考えております。
○吉川沙織君
この間、担当として、内閣官房と内閣府だと思いますが、そこを
所管していた担当として、それまでの評価、2年で終わったけれども
それを評価する必要があるのかないのかということをお伺いしたので、
それについてお答えいただきたかったんですが、時間がないので
次に行きます。
2006年12月の今おっしゃった再チャレンジ支援総合プラン、
関係省庁から持ち寄られた既存の政策が基本となっていますが、
政策の中心となったのは今申し上げた若年者の雇用対策でした。
目玉としてジョブカフェが挙げられていましたが、そもそも
始まりは再チャレンジとは関係なく始められたものでした。
厚労省、経産省のスタート当初3年間の予算は合計250億円を
超える大きなものでした。経済産業省においては04年度から
06年度までモデル事業として展開されましたが、再委託に係る
人件費の高さが問題となり、平成19年12月の参議院厚生労働
委員会でも取り上げられた経緯があります。
これ日給が、プロジェクトマネジャー12万円、コーディネーター
9万円、キャリアカウンセラー7万5千円、事務スタッフ5万円と
いうものですが、リクルートが04年度から06年度に計上した
人件費総額は約20億円です。関係者によると、給与や賞与、
通勤費、法定福利費など直接人件費として支払われた費用は
9億4千万円で、間接人件費が1億4千万円。
残りは、開発ノウハウ導入費、労働関連研究開発費、
専門技術開発費とされています。計上した人件費のおよそ
半額に当たる約9億円を間接コストとして得ていた計算となります。
2006年度に財務大臣から公共調達の適正化について
という文書が各省庁に出され、入札、契約の手続の見直しを
求められたため、ジョブカフェ事業の人件費は法定福利費を
合わせた金額プラス3割をめどとするルールが策定されました。
リクルートの超過分は3割をはるかに超えていますが、
ルールの適用業が終わったはモデル事07年度からです。
2004年度から2006年度にかけての高額な人件費という
ものは本当に妥当なものであったのかどうか、経済産業省に
お伺いします。
○政府参考人(石黒憲彦君)
御指摘がございましたとおり、経済産業省のジョブカフェモデル
事業における人件費単価につきましては、これはこのまま
御当人に支払われているわけではございません。
先生が御指摘のとおり、採用等ノウハウの開発費用で
ございますとか、当然チームでやっておりますので、チームと
しての全体の福利厚生費とか、そういったような必要経費がそのまま
その中に計上されておるということでございます。
そういったものを込みとして単価を設定をさせていただいたと
いうのが実態でございます。私ども、ほかにも、シンクタンク等に
つきましてこういった調査研究事業を委託するというようなケースが
ございますが、そういったような場合にも、当時の執行マニュアルと
いたしましては、一応適正な形でほぼこういった必要経費の計上の
仕方をしております。
それとの比較におきましても余り大きな違いはないと
いう状況にございます。なお、ジョブカフェモデル事業につきましては、
16年度から18年度までの3年間で15.7万人が就職をするといった
ようなことで成果を上げておるところでございます。
今後とも適正な執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
○吉川沙織君
結局、06年度に財務大臣から文書が出されて是正をしている
というような状況ありますし、もう終わった事業ですのでこれ以上
申し上げませんが、本来若者に行かなければならないはずのお金が、
委託先が、再委託先が潤うというような構図はやはり看過できない
事実であると思います。
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