総務委員会(2020年11月24日)
総務委員会で50分間の質疑に立ちました。
総務委員会で急遽一般質疑が入ることとなり、予期せぬ質疑の機会をいただきました。
急遽の質問だったこともあり、これまで国会で質疑を重ねてきた内容について、その後の対応状況等を質問の中心に据えることとしました。
行政の信頼確保の観点で、これまで取り上げてきた統計等データや公文書の在り方について質疑しました。
私は、厚労省の毎勤統計不正発覚前の2016年末に発覚した経産省の統計不正以降、統計等データの在り方を取り上げ、財務省の公文書改ざんが発覚する前から公文書管理の在り方等についても取り上げてきた経緯があるためです。
特に、新型コロナウイルス感染拡大期にある状況だからこそ、感染者数や統計等データ等、とりわけ行政が発信する情報の的確性・正確性は、意思決定の妥当性、有効性の検証の観点からも求められるものです。
質疑の具体的内容としては、最初に厚労省の統計事案を取り上げました。児童虐待に係る統計について同じ統計を厚労省と最高裁でとっているにも関わらず、大きな乖離が出ている現状を深刻な問題と捉え、これまで質問主意書を活用して質してきました。
[参考]
2019年4月5日:児童福祉法28条事件に係る保護者指導勧告の統計に関する質問主意書
2019年4月18日:児童福祉法28条事件に係る保護者指導勧告の統計に関する再質問主意書
特に、平成24(2016)年においては、同じ事象を対象に統計をとっているにも関わらず、厚労省の統計では5件、最高裁の統計では49件と実に約10倍もの開きがありました。この統計を基に立案される施策や改正法案の正当性に疑義を生じさせることにもつながります。行政監視機能を有する立法府としては看過するわけにはいきません。
再質問主意書の答弁3において、この乖離状況の原因を明らかにすべく対応する旨示されていましたので、原因と今後の対応について委員会の場で確認しました。
次に、防災行政無線の整備率の在り方として、2020年8月26日の災害対策特別委員会で明らかになった点につき、総務省の考え方を確認しました。
これまで整備率として計上していた以外の手段を最新の統計から急に加えており、整備率が一見向上しているように見えているのです。もちろん、情報の伝達手段を複数用意することは必要であり求められることですが、これまで総務省は「同時一斉」という特長に重きを置き、そこにこだわって防災行政無線の整備率を向上させてきたはずです。
統計の背後にある政策の考え方に連続性があるかという点にこだわって質問しました。
次に、内閣府令の誤りとその後の対応状況について内閣府に問いました。
これは、幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令に96か所もの誤りが生じた問題です。これについても質問主意書を三度提出するとともに、2019年11月25日の行政監視委員会でも政府の見解を質しています。
[参考]
2019年10月4日:幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する質問主意書
2019年10月18日:幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する再質問主意書
2019年10月31日:幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する第三回質問主意書
2019年11月25日:行政監視委員会で対応状況を質す
その後の調査の結果を確認し、結果として誤りのある内閣府令を引用した条例を制定した地方自治体が221もあることが明らかになりました。業務に比して人員が少ないことは大きな原因だと考え、主意書でも昨年の質疑でも指摘しましたが、今回も改めて見解を質しました。
次に、公文書管理の在り方として、検察庁法定年延長に係る経緯文書の公表時期について、法務省に見解を質しました。
これに関しては、2020年3月9日の予算委や6月5日の本会議でも指摘しており、整理に時間がかかっているため鋭意作成中と法相から答弁がありましたが、結果として公表されたのは法案の閣議決定から約7か月後の10月1日でした。
この点に関し、公表に時間がかかった理由と財務省の公文書改ざん問題を受けて新設された公文書監理官が果たした役割を問い、新設された公文書監理官が何ら機能していないことが明らかになりました。
正しい統計等データや公文書が適切に作成・保存されることはもちろん、各府省庁の大臣が適切な情報発信を行うことも重要です。そこで、最後に11月20日の閣議後記者会見において携帯電話料金値下げに関して、総務大臣が「羊頭狗肉」と発言したことについて問いました。
行政監視機能を担う立法府の一人として、これからも役割を果たしてまいります。
[質疑項目(行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査)]
1.厚労省福祉行政報告例に係る事案[厚労省、総務省]
・統計等データの正確性と公文書の作成・保存の必要性(大臣)
・一般統計調査(福祉行政報告例)の統計乖離(厚労省、総務省)
・地方団体の統計業務負担と重複把握等の必要性(総務省)
2.防災行政無線の整備率公表の在り方[総務省]
・防災行政無線と代替手段の考え方と政策の連続性(消防庁)
3.内閣府令の誤りとその後の対応[内閣府]
・内閣府令の誤りの調査結果(内閣府)
・誤った内閣府令を引用した条例を制定した地方団体等の存在有無(内閣府)
・再発防止策の現状(内閣府)
4.公文書管理の在り方[法務省、総務省]
・検察庁法定年延長に係る経緯文書の公表時期(法務省)
・定年延長に係る経緯文書の作成に時間を要した理由(法務省)
・定年延長に係る経緯文書作成と法務省公文書監理官の対応(法務省)
・法務省公文書監理官による調査の必要性(法務省)
・検察庁法改正案策定経緯文書の内容の是否(法務省)
・公文書の作成、管理の現状に関する行政評価局調査の必要性(大臣)
5.行政の信頼確保と情報発信の在り方[大臣]
- 2024年10月1
- 2024年5月2
- 2024年4月2
- 2024年3月3
- 2024年1月1
- 2023年12月1
- 2023年11月1
- 2023年6月3
- 2023年5月1
- 2023年4月1
- 2022年11月1
- 2022年9月1
- 2022年6月1
- 2022年5月2
- 2022年4月1
- 2022年3月4
- 2022年1月2
- 2021年10月1
- 2021年7月2
- 2021年6月3
- 2021年5月2
- 2021年4月3
- 2021年3月2
- 2021年1月2
- 2020年11月1
- 2020年9月1
- 2020年6月1
- 2020年5月1
- 2020年4月3
- 2020年3月2
- 2019年12月1
- 2019年11月2
- 2019年5月3
- 2019年4月2
- 2019年3月3
- 2018年11月1
- 2018年10月1
- 2018年8月2
- 2018年7月1
- 2018年6月2
- 2018年5月2
- 2018年4月3
- 2018年3月6
- 2018年2月2
- 2017年12月1
- 2017年11月1
- 2017年6月3
- 2017年5月2
- 2017年4月1
- 2017年3月2
- 2017年1月1
- 2016年12月2
- 2016年11月2
- 2016年4月2
- 2016年3月3
- 2016年1月1
- 2014年9月1
- 2014年8月1
- 2014年6月1
- 2014年5月2
- 2014年3月5
- 2014年2月1
- 2013年11月1
- 2013年10月1
- 2013年5月1
- 2013年3月1
- 2012年8月1
- 2012年7月1
- 2012年6月2
- 2012年4月2
- 2012年3月4
- 2011年11月2
- 2011年10月2
- 2011年5月4
- 2011年4月2
- 2011年3月2
- 2010年11月2
- 2010年4月2
- 2010年3月4
- 2010年2月2
- 2009年11月2
- 2009年6月2
- 2009年4月8
- 2009年3月4
- 2008年12月6
- 2008年5月4
- 2008年4月3
- 2008年3月2
- 2007年11月1
- 2007年1月1