吉川さおり 参議院議員(全国比例)
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議会雑感

臨時会の召集-その1

2015年11月27日

○日本国憲法第53条

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

平成27年10月21日、野党5会派等は、衆参両院に対し、日本国憲法第53条に基づき、臨時会の召集を要求しました。

しかし、どうやら臨時会は開かれない様相を呈しています。

日本国憲法第53条には、「いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とありますが、確かに、召集時期についての言及はありません。

一方で、現在、行政権である内閣を担う政権政党の自民党は、平成24年4月27日に日本国憲法改正草案を決定しており、改正草案の第53条には、召集時期を明記しています。

○日本国憲法改正草案 第53条(自民党 平成24年4月27日)

(前略)いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があったときは、要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない。

9月27日に閉会した第189回国会は、国会法第10条に定められた本来の会期150日間に対し、その6割超にも及ぶ95日間もの延長を、与党は数の力で決めて、安保法を強行的に通過させた後は、通常であれば開く臨時会を開かない、というのでは道理が通りません。

行政権である内閣は、安保法審議の中で、国民に対して、丁寧に説明すると繰り返し答弁していましたし、何より、第189回国会閉会後は、内閣改造やTPPの大筋合意など、国会で明らかにすべき問題や課題が山積しているからです。

また、10月上旬の内閣改造に伴い、衆議院においては、議長・副議長に次ぐ立場の議院運営委員長が欠けた状態であり、参議院においても、常任委員長も2人欠けた状態が続いています。

三権分立の観点から見ても、行政権である内閣は改造を経て体制を確立した以上、立法権である国会も、立法府として、院の構成を確定するためにも、臨時会は開かれて然るべき、と議会人のひとりとして考えています。