慎重審議(未完結編)
平成27年9月27日が会期末の第189回国会。
継続審査(閉会中審査)手続きがとられた法案の中に、衆議院審議段階からずっと注目していた「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」があります。
これは、行政権が6つの法案を束ねて立法権である国会に提出した、いわゆる「束ね法案」ですが、衆議院段階では、非常に丁寧な審議が行われたものと捉えており、これまで、慎重審議のひとつの形態だとして、注目し、その審議方法と経緯を3回取り上げてきました。
「慎重審議」 平成27年7月4日
「慎重審議(続報)」 平成27年7月11日
「慎重審議(衆院完結編)」 平成27年8月14日
詳しくは、上記の3エントリーをご覧いただければ幸いですが、束ね法案である刑訴法案に対して、テーマを4つに分類し、4つのテーマごとに、対政府質疑→参考人質疑→対政府質疑を丁寧に繰り返したのです。
過去に、逐条審議が行われたことはありますが、これとは異なる形の慎重審議だと捉えていました。
先日、成立した安保法案でもそうですが、どれだけ多くの法案が束ねられていようとも、テーマごとに参考人質疑を分けて行ったり、対政府質疑を行ったりすることはないからです。
よって、立法権である国会が、束ね法案を提出してきた行政権に対し、慎重審議を行った例として、個人的に注視していました。
さらに、衆議院における審議期間は、安保法案を上回るものでした。
衆議院における安保法案は、5月26日審議入り、7月16日参議院に送付。刑訴法案は、5月19日審議入り、8月7日参議院に送付となっており、審議期間は安保法案より長かったのです。
刑訴法案に関しては、結論から申し上げると、お盆期間明け初の参議院本会議で審議入りしましたが、参議院法務委員会では実質審議入りすることができず、よって継続審査の手続きがとられたのです。
再考の府、参議院でどのような形の充実審議が行われるのか注目していましたので、法案に対する個人的な思いはさておき、ちょっと残念でした。
理由に関しては、何かの機会に説明したいと思います。
